読書三昧

かなり風邪も良くなってきました。相変わらず声はガラガラですが。

外には出たくないのでおうちで読書です。年末から結構たまったのでまとめてご紹介。

連戦連敗 安藤忠雄
最近では司馬遼太郎の蔵書室を設計したことでもよく話題になってる、建築家の安藤忠雄が、東大大学院にて講義した内容をまとめた本です。日経の書評でも取り上げられてましたね。

僕は不勉強ながら、建築家の勉強ってのは製図の方法や建築工法など、技術的側面ばかりなのかと思ってましたが、それはあくまでも一部であり、手段の一つであって、重要なのはある建物なり都市なりを作る上ではその歴史的背景や周囲の建造物などとの調和や対立から如何にして新たな建物を想像していくか、というプロセスにあるようですね。この本を読んでいて非常に勉強になったというか。こういうある種哲学的な観念がないと、実は後世まで残る建築物というのは作れないのね、と思いました。

なんで安藤忠雄や建築に興味を持ったかというと、ふれあい祭関係者に建築科の人が何人かいたので、自然と興味を持ったというのが理由です。おもしろい本ですので、是非呼んでみてほしいですね。

ルネッサンス カルロス・ゴーン
これまた本屋でも山積みになってます、ゴーン氏が自ら書いた自伝的要素を持った本です。

この中で繰り返し唱えているのは、現場を見て、優先順位を明確にし、全社横断的なチームを作って解決に当たる、これが危機に瀕した企業を救ってきた方法であること。僕自身は実はこれは危機に瀕した企業のみならず、どの企業でも普遍的にあるべき機能なんじゃないかと思いました。

自分の職種・職責に縛られて周りが見えない人、どこにでもいます。自分もそう。でも、それで部分最適化はできるんだけど結局企業体としての全体最適化が出来ない。そのためにいくら経営トップが口を酸っぱくして業務効率化やコスト削減を叫んでもうまくいかない。よくある話です。この状態を如何に打破するか、これは経営トップのみならず、現場の末端の人間にいたるまで全てのビジネスパーソンが、常に全体を見通すように心がけることが、必要なのだと思います。

実際にはそれはとても難しいことなのだけど。

スターバックスマニアックス 小石原はるか
これは友人の下山さんのページで紹介されていたので早速買って読んでみました(笑)。かなりマニアックな事から、ハワード・シュルツ会長の「スターバックス成功物語」を読めば書かれていることなど、スターバックスに関する話題を詰め込んでます。まぁ、スターバックスマニアには一読、といったところです。

銭湯の女神 星野博美
この作者の星野さん、僕が以前イチオシした本「転がる香港に苔は生えない」で昨年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しました。受賞後初の作品です。

基本的に書き下ろしのエッセイで、香港から帰ってきてから日本で考えたこと、感じたことをまとめてあります。とても批判精神旺盛で、そういう見方があるのか、と目から鱗なコトが多くて、非常に興味深い本です。おすすめです。

ソウルの風景 四方田犬彦
21年前にソウルに1年滞在したことのある、映画評論などをしている著者が、2000年に再び1年の滞在をして、その間に韓国がどう変わったのか、どう変わってないのかというのを個人的な視点で書き連ねた本です。

ここ数年日本ではソウルがブームで、僕も2回ほど行ってますが、韓国に関する書物は少ないため(韓国人と日本人の気質に触れた本は大量にあるけど)あまり詳しいコトは知らなかったのですが、軍事政権のこと、軍隊による弾圧のことなどから、日本並みに、ある意味それ以上に大衆消費社会化した部分などを取り上げてます。岩波新書ですが読みやすいです。

2チャンネル宣言 井上トシユキ+神宮前.org (1)
今では超巨大メディアとも、超巨大コミュニティともなってしまった「2チャンネル」。それについて「ひろゆき」へのインタビューや彼と著名人とのインタビュー、それから2チャンネルの歴史や、その存在意義についてまとめた本です。

僕自身は某テレビキャスターと同様、2チャンネルは「便所の落書き」程度のモノ、という認識でしかなく、ほとんど覗いたことも無かったのですが、すでに僕の周りでは当たり前の様に2チャンネルを情報収集源として用いている人が多くなっていて、逆に取り残されている状態にありました。

そこで、いったい2チャンネルってなんなのよ、と思って本を読んでみたわけです。そうすると、何人かの友人が僕に話してくれたように、「2チャンネルには玉石混淆。でも真実も一定の割合であるし、嘘はすぐに見抜けるようになる。逆に言えばちゃんとした選択眼、メディアリテラシーを持ちさえすればデマに惑わされることはないし非常に強力な武器になりえる」、ということがこの本にも書かれていたし、それがようやく納得できました。

ということで早速専用ブラウザ「A Born」をダウンロードして、少し覗いてみたけど、量が多すぎて、自分の知りたい情報をすぐに見つけるのが難しい。ま、これはリテラシーの問題なんでしょうね。慣れれば、すぐに見つけられるようになるのかも。

それにしてもこれを覗いていたら夜はあっという間に時間が立ってしまいますね。睡眠時間削りかねないな(^^;。

ちなみに書名の最後につけた「(1)」は、今年読み終えた本のナンバーです。他の本も今年読み終えたモノもあるのだけど、今年読み始めて読み終えたのは「2チャンネル宣言」が初なので。今年の抱負として100冊本を読む、というのを掲げてみたので、わかりやすくするためにナンバリングしてみました。お気になさらずに。