Amazon.co.jp: 本: ハゲタカが嗤った日―リップルウッド=新生銀行の「隠された真実」
重そうな題名のワリにはありとあっさり読み終わりました。内容は、7割が胡散臭い話で3割が面白い話、ですかね。
7割の部分は、全体の半分以上の分量を占める、「欧米金融資本が日本潰しを狙ってバブルを引き起こし、日本経済が低迷したところで安く買いたたく」というシナリオを描いてます。いわゆるロスチャイルド家とロックフェラー家による陰謀、ということですが、いまいち信憑性がないですね。
誰それと誰それが仲が良い、という話をいろいろ出してきて、欧米金融資本と結びつけている。もうちょっと具体的な話があれば信じやすいのでしょうが。
残る3割は、バブルの申し子と呼ばれ、日経の「真説 バブル―宴はまだ、終わっていない」の主人公でもある、高橋治則氏へのインタビュー。
彼がインタビューにしっかり答えたのは、バブル後ほとんど初めてではないでしょうか。それだけにココの部分だけ非常に真実味があります。
旧長銀がバブルで焦げ付いてイ・アイ・イをスケープゴートにし、その資産を売り切ってしのごうとしたけど結局持ちこたえられず国有化。そして新生銀行上場直前に旧長銀がイ・アイ・イに行った不正の数々が明らかになり、訴訟に発展していたとのこと。新聞は毎日欠かさず読んでいたけど、そんな話は全く気がつきませんでした。日本では取り扱いが小さかったのでしょう。
この訴訟をもっと目立たせた、という意味ではこの本の意義はあったかと思います。が、題名に「新生銀行」といれたのはマーケティングの意味合いだけですね。「旧長銀」の方が正しいかな。