『小泉純一郎−血脈の王朝』読了

Amazon.co.jp:小泉純一郎―血脈の王朝: 本

先日の病院での待ち時間の間に読んでしまいました。買ってから2年ほど積読状態でしたが…。

小泉総理を外側から浮かび上がらせた力作です。総理秘書官・飯島勲氏、元外務大臣の田中真紀子氏、実姉・小泉信子氏の3人を通じて、小泉総理の言動の背景を探っています。

著者の佐野眞一氏は『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」』等で知られています。丹念な取材で題材となる「人」を浮かび上がらせるのを得意としています。

今回の本の中では飯島氏のみ、本人からのインタビューが取れていますが、他の2人については本人の弁は取れず。それでも、2人がどういう人物か、上手く描いていると思います。

あとがきの中で、小泉総理は身内のみ信用し、周りの声に耳を貸さないため、解散総選挙という宝刀を抜くに抜けない状況に陥った(抜けばもはや味方がいないため、自身の総理・総裁の再選は絶望的)、という風に書かれていました。本が出たのは2004年当時ですが、昨年まさにその宝刀を抜き、圧勝してしまったところが、佐野眞一氏が書いているように「異形の人」な理由なのかもしれません。

9月の退陣後、政局がどうなっていくのか非常に興味があります。この本を読んで改めて興味がかき立てられました。