『美しい国へ』読了

ま、間に合った…。総裁選までに読もうと思っていたのでした。

安倍さんが総裁になるのはほぼ確定のようですが、どんなことを考えている人なのか、と思って読んでみました。『小沢主義』に比べると提案内容が具体的な部分は好感が持てました。

が、非常にさりげなく、さらっと本音らしき文章が所々あったのに気がつきました。斜め読みしてると読み飛ばしそうなくらい、さらっと。将来この本の内容に手足縛られないように複線はっている、という感じ。詳しくは読んでみてください。こういう主義主張の方が日本のトップになるのは、どうかなと少し思わされました。

ところで本の内容から離れるけど、数年前からの新書ブームで、新書が大量に本屋さんに出回ってますね。この本も新書なわけですが。でも、読んでみるととてもとても新書とは言えないんじゃないか?という本が多いです。安倍さんの本も、文庫本でも十分でしょ、という感じ。新書というと格調が高いイメージがあるので、新書として発売したんでしょうけど。

僕が学生の頃は教授達から「岩波(新書)を読んでもっと幅広く深い教養を身につけなさい」とよく言われたものでした。しかし岩波新書って本の厚さが薄い割には内容が濃くて、読み下す(=理解する)のに非常に時間がかかりました。それだけ、深い内容だったということですが。

でも新興勢力の新書類は、見た目の薄さそのままの内容の薄さ。だからこそお手軽に、ある程度の知識を体系的に学べるということで売れているようですが、それって本当に「新書」として定義していいものなのかな?と思ったりもします。

美しい国へ
美しい国へ
posted with amazlet on 06.09.20
安倍 晋三
文藝春秋 (2006/07)