今日から4泊5日の泊まり込みの合宿です。初めてのクラスでした。
場所は香港国際空港の近くにある、『富豪機場酒店(Regal Airport Hotel)』にて。
最初の2泊3日分が、『MGTO 521 Managerial Problem Solving』ということで、8月初旬に送られてきた3ケースと大量の記事、参考資料を踏まえてのクラスです。記事は、組織論やエンロン等の破綻以降のビジネス倫理に関する記事が中心。
残りの2泊が『Experiential Learning Program (ELP)』というもので、グループになって困難なアスレチックをして、連帯感を醸成しよう、というもの。ビジネススクールで入学したての学生に受講させる、よくあるタイプのクラスのようです。
7時半にキャンパスの中央広場に集まって、バスでホテルに移動。軽い朝食が出て、それを食べ終わった9時から、早速スタートです。
最初に渡された名札にグループ番号が記載されていて、ナショナリティやバックグラウンド等を考慮してグループ分けされていました。グループは全部で10個で、僕が加わったのはグループ8。国籍で言うとアメリカ人のDave、カナダ人のAlex、インド人のShirish、香港出身のWei Ling、イギリス人のJon、中国人のDavidとGrace、日本人の僕、という8名。でもこのうち僕とShirishとDaveを除いて血統は中国人。なのでAlex、JonとWei Lingは広東語で会話可能、DavidとGraceは普通話で会話が可能という状態。
欧米の学校も多様性を重視しているだろうけど、HKUSTでの多様性も非常に興味深いです。いや、HKUSTというよりは中国人が、というべきかも。国籍はイギリスで、広東語が話せる人や、アメリカ出身で広東語が話せるけど香港に初めて来た、とか。非常に複雑で、一体何人なのか、国籍って何だろう?と考えてしまいます。また彼らのアイデンティティってどうなっているんだろうと興味津々。もうちょっと仲良くなったら聞いてみようと思いました。
クラスの最初の1時間ほどはMBA Program DirectorであるProfessor Dekreyから、今年のHKUSTの学生のデータについて説明がありました。60人と聞いていたけど、結局76名入学になり、今日まだ来ていない学生もいるそうです。これまでで一番多い学生数とのこと。説明を受けながら、MBA留学しているんだなぁと非常に実感が湧きました。
続いて早速グループワーク開始。まずは自己紹介し、チームメイトの特徴を捉えたチーム名とシンボルを作り、5分でプレゼンを行う、というもの。おお、きましたよ、プレゼン。まずは自己紹介。その後、どのように5分間でプレゼンするかアイディア出し。チーム名はチームメイトの多様性とHKUSTに来た理由を象徴し、かつ唯一の日本人がいるチームとして、日本語を元にすることになりました。その結果、チーム名は「HENKA」に決まりました。皆HKUSTに来た理由として、「change something」を挙げたので、その「変化」をチーム名にすることになったわけです。シンボルは、Wei Lingが前職が小学校の先生でドローイングが得意らしく、彼女が上手く作ってくれました。
で、プレゼン。日本語のチーム名のため、僕がイントロダクションを...。初っ端から超緊張です。うーん、大丈夫だろうか...、とかなり心配だったのですが、なんとか無難にこなしました。よかった〜。僕らはプレゼンを始める前に円陣を組んで「HENKA!!!」と叫んで気合いをいれたのですが、おかげで(?)超大受け。よかった。他のグループの人たちも僕らのことを一発で覚えてくれました(笑)
ここでランチタイム。ランチで座るテーブルは入り口でくじを引いて。グループワークとは違う人たちと食事をしてお互いを知り合おうという趣向みたいで、この後みんなで食べるランチ・ディナーは全てこのスタイルで行われます。
ランチの後は「Cross-Cultural Experience」というアクティビティで、クラス全体をαとβ半分に分けて、2つの部屋にてそれぞれ全く異なるルールのゲームを覚え、スタートします。そしてαとβ、それぞれから10名程度ずつ、交換し、それぞれ何をやっているか、仮参加して観察します。何をしているかをそこのアクティビティメンバーに聞いてはいけない、というルールでした。そしてまた戻ってきてその時の経験やどう感じたかについて意見を発表。
一通りやった後、一つの部屋に全員集合し、αとβそれぞれのメンバーが、相手のアクティビティを観察してどう思ったか、感じたかを挙げていきます。全ての意見が否定的。教授の言葉を借りれば「extremely negative!」(笑)これは、異なる文化に接したときどう反応するか、それが通常どういう行動や感情を引き起こすか、ということを身をもって経験させるアクティビティでした。
現在集まっているクラスメートは世界中から、様々なバックグラウンドを持って集まってきています。しかし異なる考え方、文化のクラスメートだからといって拒否反応を示さないで、その違いを受け入れ、そこから学び、自分の経験に活かしていきましょう、というメッセージが込められていました。なるほどな、と非常に感心しました。
この後コーヒーブレイク。軽食と飲み物を頂きながら、他のグループの人たちと話をしていたら、アドミッションのCalieから「日本人の受験生向けにHKUSTをアピールして」と、いきなりビデオでコメント。で、英語で始めたら「No! Japanese!」と。さっきまで英語しゃべるのに苦労していたのに、日本語で、といわれると逆に日本語が上手く出てこなくて、英語混じりの妙なコメントになってしまいました...。これみて引かれたら悪いなぁ...。どこで見れるようになるかはわかりませんが、編集し終わったらコピーを1部くれるとのこと。
コーヒーブレイクの後は教授から「What is an Organization」と「Decision Making Process」いうレクチャーを受け、それを踏まえてグループワーク。東京に送られてきたアサインメントのウチ、HENKAグループはシンガポール航空(SIA)のケースを元にしたケーススタディでした。10グループのうち偶数がSIAのケースで、奇数がもう一つ別のケースを元に50分でケース分析をし、グループ毎に5分間のプレゼン及びQAセッション。
このとき自分の英語のあまりの出来なさに本気で泣きたくなりました。アメリカ人の教授達の話は非常に聞きやすく話してくれているためさすがに完全に理解できていたのですが、クラスメートは容赦ないので皆さんかなりの早口で、かつ各々の訛りでしゃべってくれちゃうため、理解するだけでいっぱいいっぱい。さらに意見を言おうとしても、それを頭でまとめているウチに話の内容が次に進んでしまいます。グループに何も貢献できないよこれじゃ、と辛くなってきました。時々DaveやJonが僕が話したそうにしてるのに気づいてに気を遣って「Hey, Koji has some comments about this, listen to him!」と言ってくれたのが救いでした。
で、ケースですが、SIAのお客が、マニラでは複数の荷物について一部をトランジット先に、残り全部を最終目的地宛に送って欲しいというリクエストに応えたのに、デンパサールで拒否された、というレターを顧客から貰ったというお話。これについてこのレターに対してどう対応し、各空港の職員の対応に対してどうすべきか、という質問。明確な質問が出ているのですが、なぜかHENKAグループは出された課題に対してダイレクトに答えず、より本質的な問題を考え、それに対して答えを出そう、という方針になり、みんなの知恵を絞ってプレゼンをまとめました。
DavidとAlexが前に出てプレゼンを行ってくれました。そして全てのグループのプレゼン終了後に、どのグループがよかったか投票を行います。そしてその結果、我々が一番!スゴイよHENKA。というか質問に明確に答えなくても良いというのにビックリ(笑)これ以降全てのプレゼンでこの方針が踏襲されたのでした(笑)
コーヒーブレイクを挟んで、もう一つケーススタディ。やはり偶数グループと奇数グループに分け、奇数グループはやはり事前に出されたアサインメントから、香港ジョッキークラブ(HKJC)という競馬運営団体のケース。1997年の香港返還を迎え、ロイヤルジョッキークラブという名前で英国の海軍出身者によって運営されていたこの競馬クラブが、台湾のフォードでCEOをしていたDr.Larry Wongをリクルートしてきて、組織改革を図る、という内容でした。偶数グループも同じくHKJCのケースですが、Dr.Wongが引き継いだ後から、今年彼が引退し新しいCEOに引き継ぐにあたっての課題についてのケース。
その場でケースを渡されてすぐ内容を読み、ディスカッションの開始。結構辛いですが、発表は明日の朝8時半から。時間はたっぷりあるわけです、寝なければ...。日本人の卒業生から聞いてはいたのですが、やっぱり大変です。
ディナーを挟んで引き続きディスカッション。自分の貢献度の薄さに本当に辛かったのですが、プレゼンの発表、しかもConclution部分を任されるという大役!だ、大丈夫、僕で?という感じですがやるしかないのでガンバリマス。みんなでHKJCが抱えているであろう本質的な問題を考え、分析し、HKJCに対するRecommendationを導きだし、パワーポイントにまとめ、リハーサルを終えたのが3時過ぎ...。いったん解散した後、僕は部屋に戻って1人で担当部分の発表内容に厚みを加え、結局4時半頃就寝...。