MBA Residential Program 2007 4日目

今日からは「Experimental Learning Program」というもので、エクササイズを使って、合宿前半で学んだチームビルディングやタイムマネジメント、リーダーシップについて学ぶ、というもの。

朝7時半に朝食を食べ、8時半頃バスに乗って出発。ホテルから1時間くらいバスに乗ったところに連れて行かれました。

運動する準備が出来たら、早速開始。最初は長方形の木のブロックが3列等間隔で並んでいて(列間の間は両足で十分またげる程度)、適当にその上に立たされます。そこで、1列目の頭から、誕生日順に並び直しなさい、という指令。もちろんブロックから落ちては行けません。

ブロックの上は人がびっしりいるので、並び替えといっても簡単ではありません。そこで、どうやって並び替えをしていくか、ブロックの上に立ったまま皆でディスカッション。とはいえ、76人もいるとまとまるモノもまとまりません。とりあえず「January, come on!」って感じで月ごとに移動を開始。

しかし、毎月均等に生まれているわけではないので、当然偏りが生じます。1列に立てる人数に制限があるため、今度は月ごとの人数を手を挙げて数えてみたり、とりあえず動いてみたり…とカオス状態に。炎天下の中汗びっしょりで30分位やっていたらホイッスルが。タイムオーバーでした(^^;。

このエクササイズから、誰が音頭を取るかというリーダーシップ、どのように人を移動させるかというストラテジーの重要性、びっちり人がいる中移動するために必要なチームワーク等、身をもって経験しました。

結構ぐったりしたところで、次は10人ほどのチームに分かれてのエクササイズ。2枚の細長い板があり、それぞれに等間隔で紐がついています。紐は環状になっていて、板の上にそれぞれ足を置き、紐を持ちます。10人が同じ板に乗って、タイミングをあわせて片方の足をあげて紐を引いて、一歩ずつ前に進んでいく、というもの。

前に進むだけじゃなく、途中でUターンして戻ってきて終了というエクササイズ。そこで、どのようにかけ声かけて右足と左足を動かし、どのようにUターンするか、5分ほどディスカッション。その後練習をしてみます。

練習ではなかなか快調で、これなら1番取れそうだぞ、と正直思いました。しかし、実際本番でみんな一斉に動き出したら、これがまた難しい。お互いのチーム間でかけ声が飛び、タイミングがずれてしまうし、Uターンする場所では渋滞してしまい上手く回れず。結局最後から2番目のチームとなってしまいました…。

実はこのエクササイズを始める前に、教授から「これは競技じゃないから、あわてて前に進む必要はないからね」と念を押されていたのですが、始まるとみんなそんなことは忘れて「1番」になるべくチームの中だけでどう効率的に進むかを考えてしまっていました。ですがあくまでもこれはエクササイズ。なので、他のチームと協力し合って、かけ声のかけ方や、Uターンするときの場所、タイミング、方向などを決めれば良かったのです。

再三競技じゃないと言われていたのに競い合ってしまった、というのはみんなの思いこみ(Assumption)からきたもの。思いこみで行動することの危うさ、そしてチーム間のコラボレーションの大切さを、身をもって経験したのでした。

今度は昨日までのグループで、2つずつくっつけて、1つが大体15人で構成される、5つの大きなグループを作りました。僕らはチーム7と合併し、チーム78と改名(笑)

このチームで残りのエクササイズを行うみたいです。このチーム毎に、5つの陣営に分かれて、紙飛行機を作って相手陣営に飛ばし、エクササイズ開始後10秒で終了し、終了時点の紙飛行機が多いところが負け、というエクササイズ。

僕らは最初の8秒間は専守防衛に徹し、紙飛行機を集めまくり、最後の2秒で一気に相手陣営に投げつける、という戦略になりました。エクササイズ開始し、あっという間に10秒がたったのですが、10秒たっても攻撃を止めない止めない(笑)教授も苦笑いで、今までここまでエキサイトした学生はいない、とたしなめておられました…。ま、僕らの戦略は褒められたのですが(笑)

ランチを挟んで、次のエクササイズ。まずは紐で大きなサークルを作ってあり、その真ん中に水を張ったバケツがあります。サークルの外には1mくらいの棒が2本と5mくらいの紐が2本、細い1m程度の紐が2本。バケツを爆弾に見立てて、これらのツールを使ってサークルから取り出し、別のサークルに移すというエクササイズ。サークルの中は危険地帯なので一切入ってダメ。水がこぼれてもダメ。それらは全てペナルティとして1分間全員しゃがんでストップし、バケツは水を張り直してサークルの中に戻されるルール。

今回のエクササイズではHENKAチームでもあったAlexがリーダー。チームを2つに分け、1つはどうやってツールを使って取り出すか考えるチーム、もう一方は他のチームの観察、という役割になりました。

僕は方法を考えるチームで、他のメンバーとああだこうだ言いながら試していたのですが、気がついたら観察チームの一部も合流してツールで方法を考えています。観察はどうなったのだろう?と思いながらも、あれこれ試していたら残り5分程度。そしたら隣のチームが取り出すのに成功しています!

Alexの指示で、隣のチームから人を引っ張ってきて、方法論を伝授して貰い、僕らも見事時間ギリギリでバケツを取り出すのに成功!

全員で集まって各チーム毎に戦略とその実行について報告。僕らのチームの、最初に2つに分けて観察班を作ったのは今までのこのプログラムでいなかったとのことで、非常に褒められました。が、実行段階で、観察班がその役割を上手く果たせず気がついたらてんでばらばらに動き、勝手にツールを使って考える班に合流していたりして、マネジメントが上手くいっていなかったのと、リーダーの言外の期待があったのにそれがメンバーに届いていなかったのが、反省点でした。やはり異なるバックグラウンドの集まりだけに、漠然と指示を出すだけでは足りない、ということです。これが非常に難しいんですよね、特に日本人には。暗黙の了解、というのがどれほど実は楽なものなのか、というのを思い知らされました。

少し休憩して、次は全員目隠しして、各人に渡された数字を元に、おしゃべりもなしで数の大きい順に並ぶ、というエクササイズ。目隠しして並ぶんだから、ボディタッチでコミュニケーションするしかありません。なので、予め数の伝え方、伝えられた方の数が大きい・小さいという意志表示、それから再度数字を教えて、という合図を15分で決めるのですが…これが決まらない!主義主張が強い人が何人かいて、結局数字の伝え方と数の大小の伝え方はなんとかなったけど、聞き直す合図がわからないまま、エクササイズスタート。

まず目隠しした状態で適当に円になりました。その後、1人ずつインストラクターから数を教えて貰います。その時だけ目隠しを外せます。僕の番が来てビックリ!数字は「√144」でした。てっきり整数の実数のみと思いこんでました。またもやAssumptionにやられました…。こりゃ伝えにくい…。

全員に数が知らされたところで、実際に並び替えを始めるのですが…そういえば誰がどの順番で始めるかも決まってなかったのでは…?僕はどうしたらいいか分からず、しばらく突っ立っていたら、隣から肩をつつかれたので背中を向けると、そこに数字を書いてくれます。こうして順番を入れ替え始めましたが、どうしても理解できない数字が多く、どうなってんだ?と思い続けたまま、ゲーム終了。15人中7人が大小でちゃんと並んでいて、良い成績だったようです。

実は数字は分数や小数点以下2桁、マイナスの数字なども混ざっており、実数が書かれると思いこんでいたため背中に書かれても理解できなかったようです。僕の「√144」も、「√」が「5」だと思った、とメンバーから言われました…。これも、事前にインストラクターに聞いたら教えてもらえた情報だったとのこと。思いこみは禁物ということ、それから事前の意志決定(この場合だと合図の方法)を素早く的確に行うことの大切さが重要なエクササイズでした。

本日最後のエクササイズは、4m×2mくらいの鉄の枠に、紐が蜘蛛の巣のようになっていて、全部で20個の「穴」に分かれています。この「穴」それぞれに点数がついていて、一切紐に触らずにくぐり抜けて、ポイントをゲットするというエクササイズ。もちろん上の方にある難易度が高い「穴」は点数が高いです。

また15分シンキングタイムがもらえます。今度は誰がどの穴を透かを決めます。また順番も大切。穴の向こうに行った人しか、穴の向こうから手助けすることが出来ないのです。なので難易度が低く人の手を借りずに抜けれるところから、力のあるメンバーを先に通して、向こうから手助けしてもらうことにしました。

今度は割と上手くいきました。全員無事穴を通ることが出来、しかも当初ゴールとして設定していた点数よりも、難易度が高い穴をくぐり抜ける事が出来たので点数上方修正。意志決定を素早く決めた上、実際にエクササイズをしている最中にも柔軟に戦略を変えていったのが上手くいった理由でしょう。

これで一通り終了。疲れました、本当に。バスでホテルに戻り、夕飯はBBQスタイル。両隣に座ったのが中国から来た留学生達で、意外に日本の事をよく知っていてビックリ。ドラマや映画も結構観ているそうです。へー。

食事が終了した時点で、もう一つイベントがありました。それは今日のエクササイズの時点で決まっていたのですが、ランダムでSecret Buddieという名の観察対象を決められ、1日(自分が相手の観察者だとばれないように)観察した結果を元に、相手の良いところと改善したほうが良い点を伝える、というもの。僕の観察相手はGraceという、北京から来た女の子でした。

Graceを誘ってお茶しながら今日一日の観察の結果を伝えます。これも結構大変。ダメだしをするのではなく、以下に改善すべきか、という視点で伝えないといけないから。話をしていると、同じような悩みを抱えて大いに共感。彼女も自分の英語に自信が無く(僕より全然しゃべってますが)、話す内容を考えている間にディスカッションのトピックが先に進んでいて話したいことが話したいタイミングで話せなかったり、自己主張の強い人たちばかりの集まりでのリーダーシップの取り方が難しかったり、と…。わかるよGrace、と大いに二人で盛り上がり、プライベートな話までいろいろしてしまいました(笑)

30分以上話し込んで、今度はGraceの観察相手が現れたのでチェンジ。僕は昨日のバーに行ってみると、5人ほどのクラスメートが飲んでいたので合流。僕は自分のSecret Buddieを見つけられず…。誰なんだいったい、と思って、飲んでいたJonに、僕についてフィードバックを求めてみました(笑)自分でも自覚しているけど、もっと積極的に話した方が良いとのこと。良いアイディアを持っているのだからどんどん話した方が良いし、主張の強い人たちばかりの集まりで話を切り出しにくければ隣に座っている人同士で話して自分のアイディアを広げていく、という方法もあるよ、とか、いろいろアドバイスをしてくれました。Thanks, Jon!

しばらくしたら同じHENKAチームのWei LingがノートPCを抱えてバーに登場。何処に行ってたの?と聞いたらPC持って空港に行っていたとのこと。なぜなら空港はPCCWの無料WiFiがあるから!!なんてこったい。今日になって気づくなんて。空港持って行けば無料でネットつなげたんじゃん…。まぁ今更しょうがない。ついでにWei Lingにもフィードバックを貰っておきました(笑)Jonと同じ指摘だったので、明日はリーダーシップを取る、と約束。Wei Lingは逆に前に出すぎるので、もっとgood listenerになってメンバーをmotivateする、というのがゴール。出しゃばりだしたら止めてね、とお願いされました。

そんなこんなで23時半。そろそろ寝ましょう。