香港再発見の旅

今日は7月1日。香港返還記念日です。ちょうどいい機会なので、前から行きたいと思っていたところに行こうと思い立ち、午後から行ってきました。

それは、『転がる香港に苔は生えない』で著者、星野さんが住んでいた街、深水埗。大きな電脳市場があることで有名な街ですが、星野さんが住んでいたのは電脳市場とは東西逆側の鴨寮街。そちらには行ったことがなかったので、行ってきました。

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)
星野 博美
文藝春秋 (2006/10)
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おすすめ度の平均: 5.0
5 いざ、香港へ
5 怒濤の香港ピープル
5 買いです。

そもそも星野さんが上記本の中で書いているように、香港に戻ってきたのは返還を見届けるため。返還記念日に本の軌跡をたどるというのも何かの縁なのかもしれません。

まずは、星野さんが気に入っていた場所、西九龍中心(Dragon Center)へ。見た感じかなりきれいだったので、たぶん星野さんが去ってから改装されているのでしょう。このショッピングセンターの最上階には、なんと室内ローラーコースターが!

運休中でしたが...。

この階にはゲームセンターもあるのですが、ここで以下のピンク色の紙を大量発行している現場を発見!

これが何?という人が大半だと思いますが、1999年に公開された張國榮(レスリー・チャン)と常盤貴子の主演映画、『もういちど逢いたくて(香港題:星月童話)』で、張國榮がゲームセンターにてがんがんコインゲームなどで勝ってこのピンクの紙を大量に手に入れ、それを景品に引き替えてそこで遊んでいた子供にあげるシーンがあるのですよ。

もういちど逢いたくて 星月童話
メディアファクトリー (1999-12-24)
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おすすめ度の平均: 4.5
5 レスリー最高!
3 レスリーは素敵でしたが
3 ま、ね。
5 もういちど逢いたい・・・
5 涙が止まらない。。。

今まで何度となく香港を訪れていましたが、このピンクの紙が出てくるコインゲームなどを見たのは初めて。映画のこともすっかり忘れていましたが、このピンクの紙を見て思い出しました。もしかしたらあのシーンそのものもこの西九龍中心なのかも...。帰国したら再度観なければ。

と、一人勝手に興奮しながら(笑)、西九龍中心を後にしました。

次に訪れたのが、星野さんが住んでいたという、鴨寮街198号。よくもまぁこんなところに女性一人で住んだモノだ、と思うような場所でした。さすがに中までは入っていませんが。

鴨寮街は朝から市場がたっていて、あらゆるモノが売られています。当然騒音だらけ。でもこれぞまさに香港、という雰囲気なのは間違いありません。東洋の魔都として旅行者を惹きつけた、80年代〜90年代初期の香港の当時の面影がまだ残っている、数少ない場所だと思いました。

彼女が契約した不動産屋もまだ看板が残っていましたが、店舗が見あたらず。店舗は移転しているのかもしれません。

それから彼女が鴨寮街に決めた理由の一つ、美少年のいた茶餐庁、新金豪茶餐廰に行ってみました。

上記写真の通り看板は残っているのですが、実際にはお店は改装され名前も『大家食』に変わっていました。美少年らしい人もいませんでした。残念です。

さて、一時帰国に備えてちょいと買い物を、と思い、尖沙咀へ。漢口道にある英記茶荘にお茶を買いに行ったのですが...無くなってました。さすが転がる香港!しょうがないので祐華国貨にてお買い物。

せっかくの『香港再発見の旅』なので、久しぶりにスターフェリーに乗ってみることにしました。そして中環からはトラムで天后に向かうことに。

香港徒然草204:スターフェリーにトークン登場 - 香港徒然草』に書かれているとおり、トークンの自販機が出現していました。僕は八達通使うので関係ないのですが。

久しぶりにスターフェリーに揺られて中環へ。ここでトラムに乗り換えて、30分ほどのんびりと天后へ向かうつもりでした。

金鐘あたりから、なんとなく沿道に警察官が増えてきて、なんか事件でもあったのかなーと思っていたのですが、灣仔あたりからテープで道路の一部を閉鎖。そして英皇集団のビルの前にて、トラムが完全ストップ。前に何台ものトラムが止まっています。

理由は『ジャパナビりえ的香港TV道:我愛香港、明天會更好 - livedoor Blog(ブログ)』にありました。7月1日ということで、民主化要求のデモ行進のため、道路が封鎖され、その影響でトラムが止まってしまったのでした。

デモで訴えてる内容は結構過激で、「中国の歴史は愛するけど中共は嫌いだ」とか...。反中共を謳った看板を持っている人が多かったです。大陸ではこんなことは絶対出来ないと思います。香港だからまだ許されるのでしょう。そしてデモ行進も、韓国のそれに比べるとおとなしく、お祭り騒ぎを楽しんでいる、という風情さえあり。ちょっとほほえましかったです。

それにしてもこれだけの大規模なデモ行進は初めて見ました。日本でも見たことありません。貴重な経験です。

結局灣仔でトラムを降り、天后まで30分ほどかけて歩きました。降りた場所が灣仔と銅鑼灣の間くらいだったので...。ちょっと疲れました。

天后では、先日お会いした日本領事の方のお宅にお邪魔して、お手製の日本食を頂いてきました。元々彼のお家から返還記念日の花火大会を見よう、という趣旨だったのですが、四川省大地震のため自粛。まったりとお鍋をつつく会になりました。

彼はジャパナビにも何度か出たことがある、ということで見せて頂きましたが、仕事中とプライベートのギャップにびっくり。

ジャパナビに出ているりえさんともジャパナビ以外で何度か会ったことがある、というので、次回は是非りえさんを招いてください!とお願いしておきました(笑)