北京生活一ヶ月を終えて

昨日で北京に来てちょうど丸一ヶ月になりました。あっという間だったこの一ヶ月。簡単に感想を書いてみます。

・北京生活は思ったよりも快適
これは友達にも話しているのですが、北京に来るにあたって僕は全くなにも期待していませんでした。期待値がほぼゼロに近かったためか、「案外便利で住みやすい」というのが正直な感想です。

もちろん前提として香港ほど住みやすい土地は他にない、というのと、僕の住んでいる五道口が学生街で治安も良い、というのがありますが。

空気の悪さと渋滞は、パラリンピックが終わるまではまだ大丈夫だったのですが、終わった辺りから徐々に酷くなってきました。

快適な理由は、多少は普通話が出来るので買い物する時もそれほど困らない、というのと、地元の人間しか行かないような小さな食堂でも耐えられる、というのもあるかもしれません。

色々ネットで見ていたら、北京では中国人でもご飯に20元くらいかかるのが普通らしいです。ちょっと良いところなら40元程度。そう考えると、僕が最近入り浸っている食堂街は5〜10元程度、500mlの瓶ビールですら3元!という値段なので、言葉は悪いですがかなり低階層向けのお店なのだろうと思います。実際客層もそんなにこぎれいな人はいません。学生はそれなりにいますが。

そんなお店でも足繁く毎日通っているくらいなので、それなりに快適だと感じられるのかもしれません。ちなみにそれらの食堂はかなり汚いので、女の子の友達とかにはおすすめ出来ないです。日本人だとオトコでもちとつらいかも。

交通機関に関して言えば、現在地下鉄はどこまで乗っても(空港線除く)2元という格安。しかも非接触式スマートカードで乗り降りできるので、持っていれば非常に便利です。但し未だセキュリティチェックがあるため、人の出入りの多い駅では改札に向かう前にセキュリティチェックで長蛇の列です。

最近バスもよく乗るようになりましたが、これも1元から距離に応じて値段が変わります。スマートカードがあれば60%オフという超ディスカウント。お得ですが、渋滞に巻き込まれると悲惨です。

タクシーは上海よりも捕まえやすいです。が、英語はまず通じないし、カタカナ普通話も駄目です。正しい発音が出来ない(自信が無い)場合は、行き先を紙に書いておいて運転手に見せる方が無難です。

住環境に関して、僕は3ベッドルーム・1リビングルームの部屋のうちベッドルームを2,500元/月で借りています。五道口は学生街で、かつ最近値上がりしているらしく、かなり安い方です。友達のHeewonが住んでいる1ベッドルーム・1リビングルームの部屋は5,000元/月。日本のワンルームの2.5倍くらいの居住スペースではありますが、値段はほぼ一緒。日本式のワンルームというのはたぶん無いので、一人暮らしの居住費としては東京並み、と考えて良さそうです。

・北京大学は国内最高峰の大学
北京大学にも期待していたわけではないのですが、どうしても香港科技大学と比べがちになってしまって、辛い評価をしてしまいました。

でも今日ふと思ったのですが、北京大学は日本で言えば東京大学のようなものであり、そう考えると現地語が出来ないとつらい、というのはさほど不思議でも無いかなと思いました。国内最高峰の大学であることは間違いないですが、国際的に通用するかはまた別の話であると。東大でも、学内の情報全てがバイリンガルになっているわけではないでしょうから。

香港の場合基本的にどの大学でも学部から全て授業は英語のため、僕もそれが当たり前に感じていました。しかし日本でもそんな大学はごくごく一部で、圧倒的大多数(東大含む)の学校では日本語で授業しているし案内も日本語のみの場合が多いわけで、留学生には非常に不便だと思います。

MBAの学生はちょっと別かもしれませんが、北京大学を闊歩している若者の中からはたくさん今後の中国を担う人物がいるわけで(政治的にも経済的にも)、そういう若者達と仲良くなれるのなら、この大学を選ぶのは良い選択肢だと思います。僕は全くネットワーキング出来ていないのですが…。

と、一応持ち上げつつも、また最近イラっときたことがあるので書いておきます(^^;。今月末から始まるCompetitive Strategyのクラスでは、毎回HBS等のケースを使った授業になっています。そのケース、授業中もしくは事前に配布だと思っていました。そしたらHBSのケースに関してはMBA Officeがまとめて購入して配布するけど他校のケースは各自Webからダウンロードして予習しておいて下さい、との連絡がありました。

さらに、HBSのケースも学生がケース代を払う必要があります。Webからダウンロードする分も、当然有料で、自腹です。ちょっとビックリしました。選択科目の授業だから、テキスト代だと思えば確かに自腹なのかもしれませんが…。すくなくとも香港科技大学では授業中に使うケースは大学もち(というか学費に含まれている)ため、後から追加でお金を払うということはなかったのですけどね。

何でもかんでも学費とは別料金というのはなんだかなぁ、と思いました。が、これも最近友達のCarrieと話していてそういう考えもありか、と思ったのですが、要は利用したい人だけ料金負担と考えれば良いのでは、とのこと。全ての学生が図書館や学内インターネットアクセスを使う訳じゃないのだから、使わない人からも学費という形で徴収するより、使う人だけ別途支払う方が公平だろう、と。

確かに貧富の差が激しい中国の人たち向けにはそういう考えもありなのかも、と思いました。

しかし、図書館やインターネットアクセスは学生にとってはインフラであると僕は考えています。

あまりキレイな例ではありませんが、それはある意味トイレ等と一緒なわけです。トイレ設備やその清掃は当然学費から出ているわけで、学内でトイレ使わない、と言ったってその設備投資や清掃代は学費から引かれちゃっているわけです。

使う・使わないは学生の自由ではありますが、勉強をする上で図書館設備やインターネットアクセスは最低限提供されてしかるべき。それが学費に含まれていない、というのはやはりおかしいのではないかと。

中国国内の他の大学はどうなんでしょうか?今度中国人の友達に聞いてみようと思います。

とまぁ、また北京大学の辛口評価で終わってしまいましたが、総じて快適に過ごしている、といったところです。が、blogを読んでくれている人ならわかるとおり、正直娯楽に興じていません…。学生なので学業に専念、というのは確かにその通りではありますが。

映画は中文字幕しかないので今の僕には敷居が高いですし、未だKTVにも行っていません。飲み会も無く、平均すると週に1度、夕飯時に飲むか飲まないか、という程度。あとはひたすら家に籠もって普通話の勉強したり、就活の情報調べたり…。そもそもこの2週間は人と食事をする事自体がまれで、普通話どころか英語力もかなり落ちてきて、すらすら出てこなくなってきています。やばいです。交換留学のメリットを全然活かせてない気もするし。

実際北京大学の他の留学生達は既に中国国内旅行に行ったりしているし、香港科技大学のクラスメート達もそれぞれの国で国内旅行しまくっています。なぜそれを知っているかというと、Facebookにみんな写真をアップロードしているので…。

それを見ていて、少なくとも北京の中くらいは見ておこうと、今週は割とお出かけした訳です。さすがに疲れてきたので、来週はまた家に籠もろうかと思っていますが(^^;。

交換留学が始まる前には、上海に留学予定だった友達のJosephと、国慶節が終わったらハルビンなど東北地方に行こうよ、と話していたのですが、先日清華大学のTomoさんと話していたら、10月半ばのハルビンは既に氷点下10度近い、と聞いたので、僕の中ではもはやハルビンは旅行先から外れました(笑)氷点下を過ごせる服は持ってきてないので…。