『長恨歌』観ました。

公式サイト:Everlasting Regret 長恨歌

2005年に公開された(但し日本未公開)文芸映画です。あらすじは香港電影迷宮さんをご参照下さい。

■[topic][香港映画] 關錦鵬新作《長恨歌》:2004-11-15 - 香港電影迷宮 blog
■[見る][香港映画]《長恨歌》:2005-10-16 - 香港電影迷宮 blog

主演は鄭秀文(サミー・チェン)と梁家輝(レオン・カーファイ)。脇を固めるのが胡軍(フー・ジュン)、呉彦祖(ダニエル・ウー)、鄭希怡(ユミコ・チェン)。

關錦鵬(スタンリー・クワン)監督作品で、張叔平(ウィリアム・チョン)が美術監督・編集をしており、オールド上海を上手く作り出しています。

なにげに成龍英皇影業が制作に関わっており、成龍(ジャッキー・チェン)がプロデューサーとして名を連ねています。

全編普通話なので吹き替えかと思いましたが、さにあらず。鄭秀文もクランクイン前3ヶ月かけてみっちり上海訛りの普通話を習ったそうです。確かに所々あれ?と思う発音がありました。上海訛りだったとは。

公開当時から観たいなーと思っていて、ようやく観たのですが、なんというか正直心に響くような所はなく。淡々と鄭秀文演じる王蒅瑤の一生を、高校生くらいから60歳過ぎで亡くなるところまでを描いています。これがちょっと無理がある(笑)高校時代はまぁ良いとして、60歳過ぎて自分の娘の友達と関係を持ってしまう、というのは、見た目はともかく(当時の鄭秀文はまだ30代前半)、話としてそれはあり得ないだろう、と思ってしまうわけで。

いかにも文芸映画、という感じでした。見所をなんとかあげるとしたら、フォトグラファーの程先生を演じる梁家輝の淡々とした演技、でしょうか。物語の冒頭、親戚の友達として紹介された王蒅瑤に魅入られ、終生つかず離れず、しかし王蒅瑤と関係を持つことはなく見守り続けた男の一生。こちらの方が時代に翻弄された1人の人間の一生として、華やかではないけれども響くものがある気がします。

1920年代に魔都と言われた上海から、中日戦争、その後の大躍進政策・文化大革命を経て、中国全土が落ち着きをみせる1980年代まで、大がかりな仕掛けを一切せず、衣装や音楽だけで時代の変化をそれとなく伝えていく見せ方は、中々良かったと思います。但し未公開であることからもわかるように、日本では受けなさそうな内容ではありました。