『悲情城市』観ました。

北京に来て以来、仲良くなったのは台湾人が多く、改めて台湾に興味を持っています。

その流れで、これは観ておかねばという映画がこれ。1947年2月28日に台北市にて起こった「二・二八事件」を題材にしています。1989年にヴェネチア国際映画祭金獅子賞及び台湾金馬奨の最優秀監督賞と主演男優賞を受賞している作品です。

芸術性が高い映画の常か、この映画も長尺。2時間半もあります。正直途中飽きてきましたが…。この映画も大半は台湾語。ちょこっと広東語と上海語が出てくる程度です。

主演の1人は梁朝偉(トニー・レオン)。彼は香港人で当然台湾語は話せません。そのためか(?)、彼は聾唖の役です。淡々と演じている若き日の梁朝偉。いやホント若くてかっこいいです。

梁朝偉の兄役を務めていた高捷(ジャック・カオ)、どっかで観たことあるなぁ、と思っていたのですが、張國榮(レスリー・チャン)と常盤貴子主演の『もういちど逢いたくて』でヤクザのボス役をやっていた人でした。眼光の鋭さはそのままですがこの人も若い!まぁ今から20年前の映画ですしね。

「二・二八事件」というのは恥ずかしながら全然知らなかったのですが、本省人(中華民国成立以前から台湾島に住んでいた漢民族)と外省人(日本統治終了後、台湾に渡ってきた中国人)の間で起こった抗争で、これがきっかけでその後40年にわたって台湾では戒厳令が敷かれてきました。

僕は戒厳令は対中国の処置だと思い込んでいましたが、そうではなかったのでした。勉強になりました。1988年に李登輝が本省人として初の総統に就任するまでは、この事件はタブーとして人々の間で語られることも許されなかったようです。

映画は、日本が降伏し、台湾から撤退するところから、「二・二八事件」を経て中華民国が台北市に遷都するまでの間の、ある一家の出来事を描いています。

ちなみに「台北市に遷都」と書きましたが、台北市は現在も「臨時首都」であり、公式には南京市が中華民国の首都なのです。中国国民党による中華民国は日中戦争中に南京を攻め落とされた後、重慶を臨時首都とし、その後1947年に一旦南京に戻りますが、国共内戦中の1949年に台北市に首都を移します。

こういう観点からも、南京と重慶は是非訪れたい都市。なんとか学生の間に行ってみたいと思っています。