『中国新人類・八〇后(バーリンホゥ)が日本経済の救世主になる』読了

中国では『八〇后』という言葉が盛んに使われています。これは1980年以降1990年以前に生まれた世代を指しています。彼らはそれまでの世代とは生活・行動様式や考え方が大きく異なることから、こういうレッテルを貼られています。日本で言えば『バブル世代』とか『団塊ジュニア』ってところでしょう。ちなみに90年生まれは『九〇后』と言われています。

この世代がそれまでと大きく異なる理由は、文革も終わって開放路線が始まり、物質的に豊かになったこと、物心ついたときにはインターネットと携帯電話が普及し始めていたこと、そして一人っ子政策のため、両親、その両親と、6つのポケットからお金をもらって成長してきたこと、等が挙げられています。

この『八〇后』を中国に現れた巨大中流階層として捉え、分析したのがこの本。この世代だけで2億人近くいて、かつ彼らの消費パターンは日本のそれと共通項が多いそうで、これは確かに今後の中国国内市場に進出を考えている人々には良い羅針盤となりそうです。

ただ、『八〇后』に1979年生まれで台湾人の周杰倫(ジェイ・チョウ)を入れたり、80年代生まれであっても同じく台湾人の蔡依林(ジョリン・ツァイ)やS.H.E.を入れているのはちょっとイマイチですね。彼らを入れるなら香港のTwinsや訒麗欣(ステフィー・タン)なども入れないと。もちろん、香港も台湾も『八〇后』が特別他の世代と異なっているわけではないので、どちらも分類に入れるべきではないのですが。

中国新人類・八〇后(バーリンホゥ)が日本経済の救世主になる! (洋泉社Biz)
原田 曜平 余蓮
洋泉社
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