先日、深圳和僑会で知り合った方と夕飯を食べていた時に、接待の話題になりました。
彼は昨年起業するまで、某電子デバイスを扱う会社にて営業をされていたとのことで、会う度に学ぶところが多いのですが、営業マン時代接待は会社として禁止だったらしく、全然接待をしなかったとのこと。それでもかなり売り上げを上げていたそうで、営業に接待は必ずしも必要ではない、と仰っていました。
接待の利点があるとすれば、酔って本音などが出やすく、手に入れにくい情報収集が出来ることだろうけど、それも地道に営業活動していれば手に入れられるはず、とも。
接待って本当に必要なんだろうか、と思いつつ、営業職を拝している以上やらないといけないんだろうな、と思っていたため、なるほど、と思いました。1回2回飲み代出したからといって「よっしゃー、御社に任せる」なんてことはないだろうし、その分足を使った営業活動に経費をかけた方が良いのでは、と思っていたのです。
とはいえ、別の友人からは「日本から来たお客さんをKTV連れてって飲ませればたいてい契約してくれる」なんていう話も聞いているので、それなりに効果もあるのでしょうが。ちなみにKTVとは不健全な方です、もちろん…。
出目金魚
接待・賄賂の中国でのビジネスについて、元営業していたものとして、思うところがありい書かせていただきます。私は日系向けの香港ビジネスだったため、中国ビジネスの経験は少なく、信頼がおける知人の事例が中心になってしまいまので、あしからず。
私自身もほとんど経験がないのですが、「中国ビジネス」ではお客さんといっしょに食事を取るというのは別の悪いことではなく、当たり前のことのようです。接待・賄賂についてはポイントが以下2つあって、1.日系ビジネスでの接待、2.食事以上の接待・賄賂をいかに必要に応じて行うか。その変の判断は我々日本人には難しいですね。
上海に来て「中国ビジネス」に従事している日系企業関係者と話をしましたが、やはり「じゃ、食事いきましょ!」と言う・言われるのは当たり前のようです。食事は商談の第一歩、ライバルは当たり前のようにやっていると思ってもいいようです。ちなみに、今お世話になっている会社の中国籍出向者から、「中華料理を上手にオーダーできなければ行けないんだ」という話を聞いて、「なるほど」と自分の足りない経験に気づきました。
中国現地企業の営業担当者はおおむね苦労していますよね。日系は接待禁止のところが多いためです。私の友人で同じく電子部品の中国企業向け営業担当者は食事ではなく、「バドミントン営業」をして顧客との関係を構築しているとのこと。
食事以上の接待ですが、確かに日本からの出張者への不健全なKTV接待はまだ効果がありますね。KTV接待を渡航前から指定して楽しみに来る某大手企業の方も数人知っています、ただし、頻繁に出張に来ていたり、当地に駐在している人にとっては自費でもいける当たり前のことです。喜んでもらうためには、いい意味や悪い意味どちらでもいいから、プラスアルファが必要です。
最後に賄賂についてですが、実は授業で勉強しました(笑)。さすが中国における米国式教育という感じなのですが、マーケティングの授業1コマで「ビックプロジェクト」の授業はすべて賄賂に関するものでした。先生いわく、1億元以上のプロジェクト、もしくは特定業界(特に医療機関向け)等は賄賂も必要として、その意義、渡し方や賄賂にまつわる実務上の問題点などを授業で学びました(ノートにメモするのも忘れるくらい衝撃を受けたため、逆にメモっておらず詳細はあまり覚えていませんが・・・)。
いろいろ書きましたが、どうやら現段階では接待・賄賂(少なくとも食事)は中国ビジネスでは拒絶することはできないようです。いかにして、お客さんとの良好なチャネルを構築するか、中国企業向けに経験が豊富な営業をされている方からいろいろと学んでいかなければと、上海で思ったしだいです。
こーじ
出目金魚さん
僕の本文より長い投稿、ありがとうございました(笑)
しかしマーケティングで賄賂を肯定する(どころか勧めてる)とは、さすが中国…。
香港科技大学ではLaw and Ethicsのクラスで収賄について扱っていたため、当然「誘惑に負けずに収賄無しで事業をコンペに負けないよう進めるにはどうすべきか」という内容でした。
ちなみに弊社も賄賂は厳禁です。コンペは使っているところもあるようで、対策が難しい案件もあるようです。日系のお客さんの場合はまだそういうのはないみたいですが。