アンチトヨタ本です。なるほど、初耳な話が結構多いです。マスコミが表に出さない、というのも納得。『トヨタの闇』同様、闇の部分に深く切り込んでいます。
『トヨタの闇』の感想でも同じ事書きましたが、トヨタ生産方式、というのはMBAでもSCM等の流れで世界中でもてはやされています。が、どうしてもこの「在庫を(可能な限り)持たない」経営、ってのは本当にすごいのか?と疑問に思ってました。この本読んでやっぱりその疑問は間違ってなかったと思いました。
トヨタ以外にもDELL等が在庫を持たない経営を徹底していてその手法が良く本や雑誌に取り上げられます。しかし工場で製品を生産する上で原材料・中間財等は必ず必要。トヨタやDELLが在庫無しだとどうやって生産するのか。
その答えがJust In Timeと呼ばれる、必要な時に必要なだけ原材料を受け入れる方式。これにより組み立て側の会社は必要最低限の在庫を必要最低限の時間だけしかもたなくてすんでいます。
しかしそのしわ寄せが、そこに原材料・中間財等を納品している下請け企業に来ているわけです。彼らはJITに合わせるため、これまで(そして本来)組み立て側の会社が持っていた在庫を、彼ら自身が持つ必要があるわけです。端的に言えば、組み立て側の在庫を納品側の会社に持たせてるに過ぎないのでは?
トヨタのお膝元ではその弊害でトヨタの工場周りはいつも納品待ちのトラックで渋滞、排気ガス汚染も酷い、そうです。まぁそうなりますよね、JITを徹底しようとすると。製品の川上までたどって考えると、原材料から完成品までの間の仕掛かり在庫量は本当はあまり変わって無くて、在庫を所有している企業が変わっているだけ、と思うのですが。
そんなことを考えながら読み終えました。なかなか面白い本でした。
金曜日
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私の中の「外れた本ランキング」歴代1位です
世界のトヨタも普通の企業
批判的で偏った見方だと思うが・・・
追求がまだたりない。