2014年の北京を舞台に、第三の天安門事件が起こったら…というフィクション近未来小説です。
中国に詳しい人なら、さもありなん、とうなずける展開です。今年の国慶節、新中国建国60周年でしたが、そこで大々的に繰り広げられたのが軍事パレード。21世紀のこの世の中で、経済開放後30年を経てもまだかの国は軍を握るものが権力も握る、という訳です。
ちなみに人民解放軍は中国国軍相当、ですが、正式には国軍に「準ずる」存在であり、実態は中国共産党の軍事部門、党軍です。
小説で出てくる事件一つ一つが本当にリアリティがあって読んでいて怖くなりました。仕事開始してから知り合う人々に「なんで深圳に住まないの?」と必ず聞かれるんですが、実はこの政治リスク、というのも住まない理由の一つです。あんまり表だって理由に挙げてませんが(特に中国人には言えない)。
非常にオススメの小説です。