中国は「世界」の1/5サイズの縮小版

今日は沙田にてMEPのメンター。どんなビジネスをするか、というところにかなり時間がかかりましたが、ようやく形になってきました。

ちょっとお節介だったかもしれないけど、議論の仕方や分析ツールなどの使い方をメールで伝えたりしていたのですが、それがそれなりに役に立った模様。高校生達からも積極的に僕にアドバイスを求めてくれるので非常にコミュニケーションが取りやすいです。

さて、小飼弾さんのblogにGoogleの中国撤退に関して鋭い分析があったのでリンクを張っておきます。

中国のない世界:404 Blog Not Found

彼がblog中で紹介しているAlexandra Harney著の『中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ』は、僕が以前書いているように香港科技大学MBAの選択コースの一つ、『Doing Business in China』にて著者が来てくれて著書及び発刊後のお話などを聞かせてくれたのでした。

中国を世界に見立てる小飼さんの見方は非常にユニークですが、的を得ていると思います。僕はよく『省間の独立性が、アメリカの連邦制より強く、EUの国々より弱い』という言い方をしていたのですが、世界に見立てた方がシンプルでわかりやすいですね。

僕の知ってる別の例を挙げると、例えば各省毎に製造業からサービス業まで、あらゆる産業がそれぞれの省で存在します。そのためナショナルブランドが育ちにくく、各省では省出身ブランド・企業がそのマーケットを独占しているという状態。

例えばビールのナショナルブランドといえば青島ビールで、中国全体のマーケットシェアではトップ。但し各省毎のビールマーケットシェアでは(青島市がある)山東省以外ではトップブランドではありません。例えば北京では燕京ビールがトップブランド、という風に。

このような国を「一つの大国」として捉える見方は明らかに誤り。なのですが、中国の外にいるとそれがなかなかわからないようです。中国に進出を考えている企業の責任者の方々にはもっと中国に実際に足を運んで現場を見てもらいたいです。

中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ
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5 絶望工場の原因は我々消費者だが、同時に仕事を奪われる我々製造業。
5 ジャーナリズムに必要な視点
4 中国貧困絶望工場
4 変わらない現実
4 邦題は内容にミスマッチ