先月23 日香港政府が提出した来年度(2011年4月~12年3月)の財政予算案で、バラマキが提案されていました。
僕にも関係ありそうなのが、強制退職年金基金(MPF)と任意退職年金基金(ORSO)の全加入者に対しそれぞれHKD6,000を注入する積立支援金と、域内全戸を対象に1契約当たりHKD1,800HKを補助する電力料金補助費。
このMPF(とORSO)に香港市民の怒り爆発。というのも、今現在、物価高、不動産の異常な高騰に苦しんでいるのに、あと数十年後(65歳になった退職後)にしか引き出せないHKD6,000がなんの役に立つのか、というもの。
またMPFに加入出来ない低所得者層や警察含む公務員等も不公平だ、とお怒り。今月6日に「バウヒニア革命」と称するデモ行進が計画されました。ちなみにバウヒニアというのは香港を代表する花であり、区旗のデザインにもなっています。
将来のお金よりも今の金。これはまさに香港人気質。個人的には僕もMPF加入しているため、例えそれが退職後だとしても貰えるのは嬉しいな、とシンプルな思いでしたが、香港人達の怒りはすごかったです。財爺と呼ばれる曾俊華(ジョン・ツァン)財務長官は特に徹底的にたたかれました。これまで比較的支持率高かった官僚なのですが...。
そして今月になって、財爺修正案発表。なんと18 歳以上の香港永久居民にHKD6,000の現金を支給するほか、新たに個人所得税の減免措置を打ち出してきました。これに新聞各紙が『財爺屈服!』と書くほど、市民の力が反映された修正案となりました。このまま行くと予算案が通らず財務長官辞任、という可能性が出てきたからでしょう。
これにより受給対象者がMPF/ORSO全加入者に対して200万人増え、600万人が対象になるとのこと。澳門(マカオ)等では行われてきましたが、現金を直接支給する民政支援策は香港初とのこと。
また、税減免措置については前年度実施されたのと同様、HKD6,000を上限に税額の75%を還付してくれるそうです。
現金支給に関して、僕はまだ香港永久居民(7年居住することが条件)ではないため、残念ながら受給資格から外れてしまい、かなりがっかり。でも税金還付があるだけまだまし、ではありますが。
その他諸々についてはジャパナビりえさんのblogに詳しいです。