今回のボランティアでの気付き

ちょっと間が空いてしまいましたが、東日本大震災のボランティア活動に参加してみて気付いたことを書いてみます。

・クリスチャン系教会の世界規模のネットワークとロジスティクス

日本側の教会が受け皿となり、世界中の教会から人・物・金が提供されています。これは他のどの団体、宗教でも出来ていないと思います。純粋にその復興支援のためのノウハウはすごいです。

実際、彼らが被災地を訪れた際、「仏教はなんもしてくれんのにキリストさんは助けてくれるのか」と言われたそうです。支援の先には布教活動がある、というのはうがった見方かも知れませんが、それでも何もしないよりは全然いいでしょうね。

・失ったモノ

被災者の方々が失ったモノは、家族、家、仕事、そして希望でした。ボランティアが出来る事といったら実は物理的な部分、町や住宅の再建くらい。今一番彼等に必要なのは希望であり、それを持たせるようにするのが国や政治家の役目なのではないでしょうか。それがまだまだ全然出来ていない感があります。

それでも僕がお会いした方々は、被災者全員のうちごくごく一部ではありますが、希望を持って立ち上がり始めた方々でした。そういう方々がいることを認識出来ただけでも嬉しかったですが、もっと多くの人に希望を持って、立ち上がって欲しいと思います。

・被災者の英語での呼び方

僕はVictimsと呼んでいたのですが、英語ネイティブスピーカーはSurvivorsと呼んでました。その方が前向きな感じがあります。

・ボランティアが根付いていない日本で被災地支援をどうするか

何度かblogにも書いてますが、こういったボランティア活動は「暇人がやるもの」的な目で見られているのが実情。ボランティアを呼びかけても、今の日本では今以上には増えないのだろうと思います。

であれば、ボランティア色を薄くして、何か他のインセンティブを与えることで被災地支援をしたくなるよう出来ないかと考えています。

僕が今回参加したことで得られる、ボランティア色のないメリットとしては以下2点が上げられます。

-税金控除
→今回の参加費用、小さな額ではなかったのですが、教会への寄付金として処理されるため、参加費用丸ごと寄付金による税金控除に適応出来ます。

-履歴書の磨き上げ
→履歴書へこの類の活動を記載し、その活動でリーダーシップをどう発揮したか記載することで多少は磨きをかけられます。

個人的には税金控除の点を日本でもインセンティブとして活用出来るような枠組みを作るのは良いアイディアだと思っています。

また企業としては、従業員にボランティア休暇を付与するとか、昇進時の評価ポイントに社会貢献度合いを入れるとか。不公平感をなくすため、被災地支援をしないと損をするという制度ではなく、すると得するよ、という制度設計が必要ですが。

さらに、上記の通り被災者の方々は仕事も無くしています。雇用を生み出すのも素晴らしい社会貢献だと思います。その意味でアマゾンジャパンが1,000人規模で仙台にコールセンターを作る、というのは素晴らしいです。日本人は平均的に優秀なので、バックオフィス系の仕事などは地方に移しても成果の質には大きな問題はないはず。また物価が安いので大都市圏よりも安価に雇用可能で、企業としても悪くないはずです。

とりとめもなくつらつらと書いてみましたが、言いっぱなしに終わらず、何か具体的なアクションに落として実行出来るよう、引き続き考えていこうと思います。