中国でこの何年かで市民権を得た新語があります。それは『二奶』。これは直訳すると愛人、ですが、実際には愛人とはちょっと定義が違うようです。
どう違うかというと、愛人が情によるつながりであるとすると、二奶は金。男が契約で期間や金額をあらかじめ決めた上で、一定期間つきあうのが二奶だそうです。中国の官僚、企業家達はみな二奶を囲っているそうで、囲っていない方がどうかしている、くらいの感覚だそうです。
元々は香港の長距離トラックの運転手などが、深圳にて妻の目を盗んで女を囲いだしたのが二奶の始まりだそうで...。確かに香港は不倫や複数名の妻を持つのに対して、ある種寛容です。カジノ王の何鴻燊(スタンレー・ホー)がその一例。4人の妻を持つ、ってどうなの?と昔から思っていたところでしたが、この本を読んで納得。
10年以上前の香港で、決して裕福でなく、女性にももてない肉体労働者層に入る長距離トラックの運ちゃん達、しょっちゅう深圳に仕事で出入りしていました。彼等の給与は香港では金持ちでなくても、当時の深圳では小金持ち。その上香港から適度に距離があるため、妻の目の届かないところで女を囲うのが流行ったそうで、今でも福田口岸出たところ等には香港人の愛人村(といっても高層マンション群ですが)、というのがいくつもあります。これらが単なる愛人ではなく、二奶達の村なんでしょうね。
中国の現実を知ることが出来る、面白い本です。
チャイニーズ・レポート~中国の愛人たち (宝島SUGOI文庫) (宝島SUGOI文庫 A き 3-2)
posted with amazlet at 11.11.17
邱 海涛
宝島社 (2011-09-06)
売り上げランキング: 28276
宝島社 (2011-09-06)
売り上げランキング: 28276