グローバル人材って?

Facebook上に香港MBA3校のStudent/Alum向け「香港MBA3校合同(Japanese+)」というクローズドグループがあるのですが、そこで最近話題になった記事が下記。

"グローバル人材"を渇望する企業の見当違い:日経ビジネスONLINE

香港で仕事をして2年半ほどの経験でいうと、下記の3つのファンクションでなければ正直英語力はそれほどいりません。感覚的にはTOEIC700点前後でも大丈夫でしょう。

-新規事業の立ち上げ
-購買調達担当で、調達元が非日系企業
-営業担当で、販売先が非日系企業

高度な英語力不要な理由は下記3つ。

1.通訳、もしくは日本語話せる現地スタッフが雇用されている
2.業務(特に定型業務)で使う英語は型どおり
3.現地スタッフが日本人との仕事、コミュニケーションに慣れている

1は言うまでもなく、英語を話す機会が社内でほとんど無いパターンになります。実際駐在員のお仕事は日本側と現地の調整であり、現地側での調達元と販売先が日系企業であれば、ほぼ英語無しで仕事が出来ます。

2はトラベル英会話などと同じで、業務で使う英語は大体決まったパターンがあります。それさえ出来れば、例外が起きない限りは基本的に問題無く業務を遂行できます。

3は1にも近いのですが、現地スタッフが日本人の仕事の仕方、指示の出し方、それから細かいようですがブロークンイングリッシュや日本語アクセントの英語になれていたりするため、英語があまり上手くなくてもなんとかなってしまいます。

なので、海外駐在経験有り=英語バリバリ、には実はなりません。ヒヤリング能力は向上する可能性はありますがしゃべる方はあまり変わりません。そのため仕事は良いけどお昼に現地スタッフとご飯食べるのがイヤ、という方も少なからずいらっしゃいます。お昼ご飯時の話題は仕事以外のフリートークになるため、しゃべれないのが苦痛のようです。

笑い話のようですが、これが現状。最初にあげた3つのファンクション以外の仕事なら、海外でもたいした英語力はいらないし、そこまで頑張る必要は無いのではないでしょうか。

逆に、上記3つのファンクション、及び現地採用される人なら、TOEIC900点以下は仕事にならないと思います。理由は、上記3つの「高度な英語力不要な理由」の反対となります。

さらにいうと、英語は出来て当たり前の世界になるので、必要になるのは英語力云々よりも、異なるバックグラウンドのステークホルダー達とスムーズにビジネスを遂行出来る能力こそ、本当に必要な能力でしょう。もう少し具体的に書くと、

-文化の違いを認識し、受け入れる理解力・度量
-文化/商習慣の違いを考慮した上でのビジネスの進め方を構築できる想像力・発想力
-ストレス耐性

等でしょうか。日本で必要なビジネススキルに加えて、上記の能力を持ってこそ、海外で上記3つのファンクションにおいても仕事が出来る、「日本企業にとっての」理想的なグローバル人材なのではないかと思います。

上記の分で「」書きにしているのは、理由があります。それはまた別の機会に。