今年8月9月は中国本土にて反日デモなどが多く、日中関係がかなり悪化していました。
しかし先月は僕が住む街、上水でも別の対立が勃発、関係が悪化していました。それはなにかというと、本土から来ている中国人と、香港人の争い。それが『光復上水站(上水駅を取り戻せ)』です。
なんとWikipediaにも記事が出来ていました。
当然中国語(繁体字)のみですが...。
これはどういうことかというと、本土から大量の中国人が上水(深圳・羅湖駅から1駅なので非常に近い)に来て、大量に物資を買い付けて帰っているのがここ数年の現象としてまずあります。
これは水貨といわれるいわゆる並行輸入も含まれますが、モノによっては密輸もあります。密輸というと麻薬を思い浮かべるかもしれませんが、実態は電子機器類等。iPhoneやiPadも、転売目的の場合は密輸扱いで、見つかれば課税されます。
密輸の範疇外としては、粉ミルクや化粧品、シャンプーの類。中国国内ではニセモノ掴まされるとか、毒入りの可能性があるので、体に取り入れるモノ、肌に付けるモノの類は、香港まで買い付けに来る中国人が絶えません。さらにそれらを本土で転売する業者も多いです。
そのため、香港のMTR駅の中で上水だけが唯一昔から警備員が大量配置されており、本土から来る中国人や、香港人達の交通整理や争いを治めることを担当しています。
元々水貨は香港人達が長年やっていたし、中国元と香港ドルの貨幣価値が今とは逆だった数年前まで香港人達も深圳へ行って大量に安いモノを買い込んできていたのですが、貨幣価値の逆転と香港内の物価上昇のため、中国人達に取って代わられていたのでした。つまりやってることは中国人も香港人も同じ。
にも係わらず、香港人達は本土の中国人達に「来るな、買うな」と言い始めました。その理由は「本土から大量買い付けするため上水近辺は物価が1-3割上がり、地元の人(香港人)が買い物しようとしたら品切れ続出だから」という、子供じみた理屈。
物価が上がるのは、値段つり上げても買ってくれる中国人がいるからで、需給曲線の通りですが、その値段つり上げの張本人はそもそも「値段上げても買うだろう」ともくろむ香港人の商人達。買い手だけに文句言うのはちょっと違うなと思いました。
が、なんと9月末には150人程の大量逮捕が行われました。ちょっと横暴。逮捕の理由は「正式な労働許可が無いのに働いている(水貨を仕事と見なしている)」だからだとか。それを言ったらこれまで水貨を行っていた香港人達は不法所得を得ていて、ほとんどの人はそれ所得として申告していないはず。つまり脱税では?と、部外者としては思ってしまうのですが...。
こんな問題が起こるのも、今年に入ってから香港と中国本土の間の関係が極度に悪化し、緊張しているから。ある意味日中の比ではないかもしれません。
10月に入って『光復上水站』運動は落ち着いたようですが、本土からの中国人が減ったわけではないので、今後どうなるか、気になるところです。