言わずと知れた、沢木耕太郎の名著。香港に来る人でこれを読んでいないのはモグリです!と言いたいところですが、僕もつい最近まで読んでませんでした。Kindleストアで安かったのでぽちったのが実情...。
1970年代後半~80年代の香港がそこに描かれているわけですが、道の名前や街の様子が今と大きくは変わっていなくて驚くと同時に安心。気になったのは、この本の中で登場する地元の人間を「中国人」と呼称していること。そう、当時はまだ「香港人」という呼び名はなく、在港の中国人、香港の中国人、という呼ばれ方をしていたのでした。中国から逃げてきた人が主流だったからだと思います。その当時の人々の子供達が香港で生まれ育つにつれ、「香港人」という呼称が使われ始めるのでしょう。