マギル大学のヘンリー・ミンツバーグ教授による2004年の著書。ほぼ10年前の本です(日本語訳版は2006年出版)。原題は『Managers not MBAs』。日本語タイトルの方が過激ですね。
「今のビジネススクールではビジネス(業務機能)は教えられても、マネジメント(管理)は教えられておらず、未熟で勘違いした卒業生達が会社をダメにしている」という主張がミンツバーグ教授の骨子で、その批判を元に、マネジメントを教えるための「マネジメントスクール」を、マギル大学他3大学と提携して開校しています。
本書後半はそのマネジメントスクールのあるべき姿、及び彼が関わっているマギル大学他共同開校のマネジメントスクールの実績についての宣伝、といった感じです。
批判は確かにその通りで、マネジメントをきちんとMBAで教えているかというとそれは疑わしく、その点はまだまだ改善の余地はあるのだろうと思います。もちろん大学側もその点は目をつぶっているのではなく、色々手を変え品を変えやっているのですが、業務機能に比べるとアートの領域に近い内容のため、中々難しいのでしょう。
本書の趣旨は、決してMBA不要論ではなく、あくまでも改善の余地があるということであり、その実験を教授自ら行っていることを世に知らしめることなのだろうと思います。
MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方
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ヘンリー・ミンツバーグ
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