昨年はすっかり失念して外出しており見れなかった、香港電影金像獎。今年は家で待機ですよ!ということで、日曜日の夜はテレビに釘付け(といってもネット中継で見たんだけど)。
各受賞については以下のblogをご覧下さい。
第三十三屆香港電影金像獎「一代宗師(グランド・マスター)」が圧勝!:アジアンパラダイス
事前の下馬評通り、詠春拳の使い手、葉問(イップ・マン)をテーマに王家衛(ウォン・カーワイ)が構想から17年もの歳月をかけて撮った(と言われている)、『一代宗師』が12部門で受賞という結果に。主演女優賞も本作の主演女優、章子怡(チャン・ツィイー)が、9回目の受賞となりました。まぁ仕方が無いです、確かに彼女の演技は素晴らしかったから。
しかし最優秀作品賞も本作、というのはいかがなものか、と思いました。ちなみにこの賞のプレゼンターは我らが(?)成龍(ジャッキー・チェン)。最優秀作品賞の直前に発表になった主演男優賞で、ノミネートされていたけど残念ながら獲り逃した古天樂(ルイス・クー)を相手に、「僕もまだ主演男優賞獲ったこと無いよ。一緒に頑張ろう」と妙な慰めを入れる等...自虐ネタはほどほどにしてください、大哥。もう還暦迎えたんだから...。
また今回もう一つ、香港内で非常に高く評価された新人監督によるダンス映画、『狂舞派』が三部門で受賞、他部門でも多数ノミネートされていたのが印象的。香港人による香港人のための新しいスタイルの映画で、こういう作品が高く評価されることは今後の香港映画にとっても非常に重要な出来事だと思います。『一代宗師』も、主演女優や主要なスタッフは中国人だったので、純粋な香港映画とも言えないだろうし。
さて、そこで観て欲しいのが以下の写真。
主演男優賞ノミネートされた男優達の写真です。名前は左から以下の通り
黃秋生(アンソニー・ウォン)「葉問-終極一戰」
劉青雲(ラウ・チンワン)「掃毒」
梁朝偉(トニー・レオン)「一代宗師」
張家輝(ニック・チョン)「激戰」
古天樂(ルイス・クー)「掃毒」
そしてこちらが主演女優賞にノミネートされた女優達。
顏卓靈(チェリー・ガン)「狂舞派」
湯唯(タン・ウェイ)「北京遇上西雅圖」
章子怡(チャン・ツィイー)「一代宗師」
鄭秀文(サミー・チェン)「盲探」
鮑起靜(パウ・ヘイチン)「殭屍」
女優さんの方がやっぱり華やかですね。これを見てあることに気がつく人は香港映画マニア。そう、男優さんは全員香港人ですが、女優さんの方は2名、中国人女優がノミネートされてるんです。
しかも一番脂がのっていて様々な役にキャスティングされそうな、20代後半から40代前半までの女優が、香港人の中からは鄭秀文だけ。そのレンジにまさに入っているのが章子怡と湯唯。この二人の演技は素晴らしいし個人的に好きではあるのでそれを否定してるのでは無く。香港人でこの二人に匹敵するような女優が育っていない、ということが、今後の香港映画の課題ではないかと思うわけです。
ということで、今年の香港電影金像獎は色々思うところがありつつ、見ていました。