悩めるグローバル人材達

先日の第2回MBAフォーラムに来場下さった方は、香港MBA現役生・卒業生、そして香港で働く駐在員や現地採用の方々でした。

日本国内に住んでいて海外で働いた経験が無い人からみたら、来場下さった方々は全て「既にグローバル人材なんじゃないの?」と思われるのではと思います。国内の目線で見たら、多分そうなんでしょう。海外で、英語を駆使して非日本人達と仕事をしているわけだから。

でもそこにいた人達は、日本に住む友人知人、もしくは世間一般的に「グローバル人材」と見做されていることに気づきつつ、自分はまだまだだなぁともがき苦しんでいる人も少なくないと思います。僕自身もそう。

グローバルとは名ばかりで社内公用語が日本語という会社や、逆に英語は出来て当たり前でさらにその上中国語スキルを暗に求められる会社というのはごろごろあります。また非日本人との共同作業で思ったような成果が出せず苦しむ人も多いです。お互い英語や日本語で話していても、共通認識が無かったり常識が異なるため、意図が伝わらない事は日常茶飯事。

パネリストの方々は皆さん「言語はツールでしかない」と言い切っていました。確かにその通り。だから言葉が出来ても、意図が伝わらないということが普通に起こりえる。それを乗り越えるだけの対人スキルこそ、グローバル人材に必要とされる能力であり、これは所謂お勉強では中々学べず、実践あるのみなのではないかなと思います。

またツールでしか無いとはいえ、実際こちらで就職活動をすると、言葉が出来ないだけで書類で落とされるというのも事実。つまりツールが無いと戦いの土俵にも立てないわけです。パネリストの方々は日系企業で働くことを想定されての話をしていたのだと思いますが、グローバルというのなら日系・非日系関係なく働くというのが本来の姿。その場合、自分たちの競争相手(=非日本人)と同じかそれ以上のツール(スキル)を持っていないと話にならないという現実に、特にMBA生は苦しむわけです。

グローバル人材になるには道が長いなぁと改めて思ったここ数日でした。