元外資系投資銀行のイギリス人アナリストで、日本の伝統文化好きから、小西美術工藝社の社長をしている著者。外国人で、かつ元アナリストというバックグラウンドから、忌憚なき意見が書かれています。
まず、日本の少子高齢社会は不可逆であり、国力を維持していくには国外からの投資を呼び込む必要があるが、日本人は長期的な移民というのは感情的、文化的に受入が難しいだろうと指摘しています。僕もその意見には賛成。
その上で、今流行りのインバウンド観光を「短期移民」というカテゴリで捉え、彼等に喜んでお金を落としてもらうための方策を本書で纏めています。
政府等が提供しているデータを元にした分析を展開しているため、本書の意見に反論するのは難しいでしょう。これまで日本人の思い込みで行われてきた観光への投資こそ、見直すべき時期なんだと思います。
デービッド・アトキンソン 新・観光立国論
posted with amazlet at 15.12.21
デービッド アトキンソン
東洋経済新報社
売り上げランキング: 799
東洋経済新報社
売り上げランキング: 799