廖啟智、利沙華、陳彼得、黃靜、劉浩之、梁建平、吳肇軒、Tanzela Qoser等出演、郭臻/黃飛鵬/歐文傑/周冠威/伍嘉良監督作品です。
昨年12月17日から公開しているこの映画。廖啟智以外メジャーな俳優がほとんど出ていないにもかかわらずのロングラン。しかも僕が観た日も満席でした。
5本のオムニバス映画で、いずれもこれから十年後の2025年を焦点にして、政治的なメッセージを込めたショートムービー達でした。
1本目:大陸の意向を受けた香港政府が要人暗殺を通じて香港基本法23条に書かれている「国家安全条例」を施行させようとする話
2本目:自殺をした友人(もしくは子供?)の残したものを標本として整理するカップルの話
3本目:普通話苦手なタクシードライバーが、家庭でも仕事でも肩身の狭い思いをする話
4本目:焼身自殺した大学生の影響で反中運動を激化させ、中国も英国も「香港問題に関する英中共同声明」に違反していると抗議する大学生の話
5本目:小学生が近衛兵ばりに編成され、政府の言論ルール違反をしている市井の人達を攻撃する話
2本目だけがどうしても理解不能。香港人には分かる内容なのかもしれません。それ以外はわりとストレートだし、実際起こりえる話ばかりでオソロシイです。
例えば3本目の普通話が香港の公用語に成り代わる話。香港基本法9条では公用語はChinese(とEnglish)とだけ書いてあります。Cantoneseとは明言されていないため、普通話が公用語としても問題はありません。
実際にはこちらのハーバード大学の学生さん(もう卒業済?)による調査で、今現在は公用語としては明らかに広東語であるようですが...。
Cantonese in Hong Kong: Not the official language?:Not Quite the Economist
5本目はかなり異様ですが、もしそんな言論統制が起こったら...今の香港ではじわりじわりとその可能性が高まりつつあります。それについては別途書こうと思います。
香港の行く末を案じる全ての人に観て欲しい映画です。もちろん大陸での上映は不可能だと思います。