華人で初の女性指導者

今日は4年に一度の台湾の総統選挙でした。香港でも話題になっています。

それは2014年の『太陽花學運』以降初の総統選だったこと。また香港では『雨傘運動』後という意味合いもあります。

選挙期間色々ありましたが、直近で起きた大問題は、周子瑜の事。16歳のK-PopグループTWICEのメンバーとして台湾人ながら活躍していた周子瑜が、台湾の国旗に当たる青天白日満地紅旗を振っていた事を、台湾人で中国大陸で活躍している黃安が「中国人なのにけしからん!」と微博にアップ。

これを受けてTWICEの事務所社長による指示で周子瑜がYoutubeで公開謝罪をしました。この中で中国は一つ、私が間違っていましたと、原稿読みながら謝罪。

これを観た台湾人達が激怒、親中国よりの態度を示してきた国民党離れを加速させました。

この結果、300万票近い差をつけて民主進歩党の蔡英文が選ばれ、華人として初の女性指導者になりました。得票数が奇しくも689万票超えで、香港の現特首が689票で投票したことと結びつけて皮肉っている香港人もいます。個人的には選挙制度が違うので、足挙げ取りだなぁと思いますが。

当選後の記者会見は国内外に開かれており、中国語と英語両方での当選会見でした。台湾が国際社会からの信任を得ていかないと隣国に飲み込まれかねない地政学上の理由もありますが、それでもこういう所は日本も見習ってもいいのでは?と思いました。ちなみに日本人の記者は中国語で質問していました。相方も僕も直ぐ気づいた位わかりやすい中国語でした。

会見時には周子瑜事件にも触れ、台湾人が世界中どこでも胸張って国旗を振れるようにしていきたい、と述べています。また日本に関して、きっちり尖閣諸島(釣魚台)問題については「台湾の領土」との立場を強調しつつ、経済利益は双方が共同で享受することを望んでいるとこの会見でも述べています。スタンスを明確にしつつ、現実解を求めることを考えているあたり、学者のバックグラウンドを持った政治家だなぁと思いました。

日本との関係よりも、やはり中国との関係がどうなっていくのか、そこが非常に気になります。すぐに何かが変わるわけではないでしょうが、中国側も国民党相手と違い強気な姿勢でくる可能性は高いと思います。