ソニー凋落に関する本や雑誌は読み飽きたのですが、今でもソニー製品を使っているファンとしては、どうしても気になる会社の一つ。
そのソニーのリストラ部屋について焦点を当てて書かれたのが本書。出井さん以降の経営陣に対しての批判は他の本と同様ではありますが、実際には大賀さんの時代から名称こそ違えども似たような趣旨の部門があったことを指摘しているのが新しいネタです。つまりソニーの人員調整は出井さん以降の経営陣の失敗だけではなく、構造的なものであったということでしょう。経営陣の失敗はその動きを加速させたということになります。
またソニーを不本意に去った方々にも追跡インタビューをして、話を聞いているところが、生々しく、考えさせられるものがあります。今の50代の方々はまだまだま終身雇用神話の時代に採用された方々。それが定年までもう少しというところでリストラに遭うと言うことがどういうことなのか、考えると辛いです。そんな中でもインタビューに答えた方々がいるのというのは、筆者の腕なのか、辞めさせられてもソニー愛があるのか...。