『絶望の裁判所』の続編とも言える本作品。著者の思っていた以上に日本の裁判所、裁判官達の問題は深刻なようで、新に書き起こされたのが本作品です。
問題となった判例を用いながら、どうして裁判所・裁判官が硬直的で画一的な判決しか書かないのか、どうして民事訴訟件数が年々減っているのか、等、掘り下げて本質的な問題を追及し、それに対する改善策を提示しています。
とはいえ、裁判官を辞めた著者が外部から提示できる改善案はやはり限度があり、根本的には裁判官達の良心か政治家による抜本的な改革、そしてそれらを後押しするために国民一人一人が厳しい目で司法を日々チェックする必要がありそうです。