『なぜ、残業はなくならないのか』読了

つい最近Facebookを見て気がついたのは、本書の著者との間に共通の友人がいたこと。著者は僕と同い年で、一橋からリクルート、という経歴だったので、似たような経歴の友人がいるよな、とは思っていたのですが。

さらに著者も最近子供が生まれたとのことで親近感を持ち、彼のミルク代のために(笑)本書を買ってみました。序章にも書かれているとおり、これまでのステレオタイプ的な残業そのものへの感情的反発から一旦離れて、データを基に残業について再考しています。

端的に言うと日本株式会社的な制度の中では残業が必ずしも悪ではなく、生産性の低さ云々という話はあくまでも残業の理由の一部でしかないということ。実際残業代を実質生活費の一部として生きている人は、僕が新卒で入った会社にたくさんいて、上司や先輩から僕にも「なんで残業しないのか?」と聞かれたものです。

短期的に残業代で潤うより、就業時間中にやるべき事をやって終業後はスキルアップに励み、転職等を経て生涯賃金のアップサイドを取っていく方が合理的というのが僕の自論で、事実そうしてきました。だから日本に居場所が無くなったのだと思うけど(笑)

本書において残業代を無くす創造的なアイディアが描かれているわけではないですが、落ち着いてファクトベースでこの問題について捉え直す好著だと思います。

ちなみに驚いたのは韓国に続いて香港が長時間労働者の割合が高いということ。日本よりも多いのです。業種業態によると思うけど、香港でも皆結構長時間働いていますからね...。

なぜ、残業はなくならないのか(祥伝社新書)
常見 陽平
祥伝社
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