日中戦争前後から現在に至るまでの中国における抗日映画、抗日ドラマについてその背景、人民への影響などを纏めた本です。
中々マニアックな本ですが、興味深いのは日中戦争時から国民党がプロパガンダ映画として抗日映画を作っており、その映画製作のリソースを1949年以降共産党が接収。その国民党の時代から遡り、時代ごとに異なる形で抗日映画・ドラマが作られてきたことを纏めています。
また2000年以降では民衆のガス抜きとしての反日運動が行き過ぎることもあり、時折政府が抗日ドラマの放映見直し、停止などを指導することもあるようです。
とはいえ、2017年の現在も抗日映画・ドラマともに大陸では上映・放映されており、そこに込められたメッセージ性は日中関係を反映して変化はするでしょうが、当面無くなることは無さそうです。