『平和の敵 偽りの立憲主義』読了

新進気鋭の政治学者による安倍政権擁護本、というのが実感でした。政治学者さんも僕より若い人達の出番になってきているのだなぁと、歳を取ったことを意識してしまいましたが...。

最初に日本国憲法第九条にまつわる過去の政府答弁、閣僚答弁等々が出てきます。著者の意見に同意出来るところとして、どう言い繕っても軍隊である自衛隊を、改憲無しで保有するために神学論争的な憲法解釈をしている点に、現在の安全保障法制まで続く混乱の元になっているんだと思います。

憲法九条が平和を維持してきたのではなく、日本人が自らの意思で平和を維持してきたと自覚し、解釈論で乗り切るのではなく必要に応じて憲法も見直す。本書を読みこういう姿勢が必要だと思いました。

平和の敵 偽りの立憲主義
岩田 温
並木書房 (2015-10-30)
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