東京電機大学教授の著者による、ビル・ゲイツに関する物語を2冊の本に纏めたもの。
僕は著者の本は1980年代にブルーバックスでたくさん読んでいて、懐かしさを覚えながら本書を読みました。半分位はこれまでの彼の著書の内容と同じ。残り半分はこれまで出てきた情報を追加取材、調査で補足したもの。期待していたのは2000年代以降のビル・ゲイツ/マイクロソフトの動きだったのですが、このあたりはほとんど無く、1980-1990年代の、マイクロソフトが最も世界の注目を集めていた時代の話中心でした。ということで少々期待外れ。
今でこそビル・ゲイツというとマイクロソフト創業者の大金持ちで、慈善事業に注力している良い人のように思っている人が多いかも知れません(その意味ではスティーブ・ジョブスの2000年代以降の評価もにたようなもの)。でも僕の知るビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスは、ビジネスで勝つことにものすごく貪欲で、ありとあらゆる手を使ってライバルを蹴落とし、創業仲間に対してさえも非情になれる、自己中心的なパラノイア達。この本でもその辺りをしっかり書かれています。
僕はその頃のビル・ゲイツを生で見たことがあるのが密かな自慢。1997年か1998年に幕張メッセで行われたコンピュータ関連EXPOで、東芝ブースにお連れを10人くらい連れて歩いているビル・ゲイツを見掛けたのでした。