日立製作所でCAD/CAMのエキスパートだった著者が、その後サムスンの李健熙(イ・ゴンヒ)2代目会長から直々に声がかかってサムスンにてCAD/CAMを使った生産支援システム構築を手伝った経験を元に、サムスンの経営の強みを纏めています。
一時期は日本企業のやり方を真似ていたものの、1990年代からは独自路線に入り、それが結果的にグローバルブランド化出来た原因だとのことで、主に日本企業との対比で様々な施策について纏めてあります。
シンプルに纏めると権限委譲をしっかりした上でトップダウンとボトムアップを上手く組み合わせていること、製品を展開していく世界各国のお国柄を徹底的に調査分析し、必要なローカライズを行う事、といったところでしょうか。それらを行うためにどのように人材育成しているか、というポイントも見逃せません。
これを読んだからといって日本企業がすぐにマネしてグローバルブランド化出来るかというとなかなかそうはいかないでしょうが、少なくともサムスンの強みの源泉は理解しやすく纏めてあります。
サムスンの決定はなぜ世界一速いのか (角川oneテーマ21)
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吉川 良三
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