流石大前研一!
【大前研一「2018年の世界」】世界中が「低欲望社会化」する中、日本は美しい衰退に向かう:ビブリオン
僕が海外での仕事を求め香港科技大学MBAへ留学した背景には、早晩日本という国は財政面から崩壊する、という危機感によるもの。誰もが年金や国民皆保険制度があと何十年も維持出来ない事を理解しており、少子高齢化がそれに拍車を掛けていると分かっているのに、過去のしがらみでがんじがらめになっていて小手先の延命策しか繰り出せない国、日本。
国破れたとしても、個々人には選択肢があります。お国に依存して、お国と共に没落することを選ぶ必要は無く。そのため国の外に出ても生き残れる能力を高める、というのが僕のMBA留学の動機。
そして母国日本は今後どうなるか、という点においては衰退する(というかバブル経済崩壊後既に衰退開始済)というのが僕の考えでしたが、大前先生の言うとおり、タダ衰退するにしてもスペインやポルトガル、イギリスとは違い、日本は「美しく衰退する」というところに特徴があります。
衰退期が始まり、多少社会情勢に不安定さはあるものの、おしなべて欧州の衰退した国家ほど社会が不安定になって酷い状況になっていないのは、国民性なのかもしれません。
衰退すること自体が悪いことだとも思いません。かつて七つの海を制覇した世界最強の海軍を誇ったイギリスは、今では国外の利権(植民地)の多くを失い、衰退したという言葉が当てはまるでしょうが、それでも国際社会の中で一定の発言力を持ちつづけています。日本もバブル時のような景気を期待するのではなく、緩やかな景気後退の中で、それでも世界に向けて一定の発言力、発信力を保ち続ける方法はあるはず。そういう方向へ意識を切り換えた方が良いんじゃないかなと思います。