『住友銀行秘史』同様なにやらバブルの匂いがしたので、タイトルで釣られて読んでみました。
出版時のインタビュー記事によれば、「私がこの本を書こうと考えたのは、『オリンパス粉飾決算事件』の捜査やその後の裁判、つまりは日本の司法制度がいかに杜撰なものかを明らかにしたかったから」だそうです。本書前半はバブル経済前から後までの、彼の野村證券時代の武勇伝の数々。今なら、というのではなく当時でも表に出ていたら問題ある事ばかりだと思いました。
そして本書後半ではインタビュー記事通り、オリンパスの粉飾事件にまつわる著者の言い分を纏めたモノ。前半部分は「野村は無茶苦茶な会社だなぁ」という印象を与えるモノの、文才があるのか非常に読みやすくて読み物としては楽しく読めましたが、後半はイマイチ。理由は前半に比べると言い分で記されているオリンパスの財務関係者やLGT銀行関係者とのやりとりが杜撰で、同一人物の行った商取引なのだろうか?と思えるからです。
一審、二審で有罪判決が出ていて、現在最高裁上告中とのこと。本書がどういう影響を与えるかどうかわかりませんが、改めてオリンパスの粉飾事件に注目しています。