『インテル 世界で最も重要な会社の産業史』読了

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今やパソコンに疎い人でも知らない人はいないコンピュータ産業の巨人、インテル。その創生期からの歴史と、3人の伝説的な創業メンバーの生い立ちから紐解き、2014年頃までのインテルの歴史をまとめ上げたモノです。

ボリュームは多いものの読みやすく、非常に勉強になりました。一番の目から鱗だったのは、「ムーアの法則」について。この法則自体はコンピュータ産業では誰でも知っている話です。インテル創業者の一人、ゴードン・ムーア博士が提唱したこの法則、一般的に未来予測とか経済原則とか言われていますが差にあらず。これはインテルが半導体業界でトップを走り続けるための指標であり、インテルがトップに立ち続けているのはまさにこの法則を追い越さず、追い越されず、同じスピードで製品を開発、販売し続けたため。それを裏付ける証拠として、ムーアの法則を超えた製品をだして失敗した事例や法則に追いつけず倒産した例なども触れています。

また僕がインテルのCPUを使い始めたのが1995年からで、創業メンバーでありながら創業者では無く社員3番目であったアンディ・グローブがCEOでした。そのため僕にとってはインテルとはアンディ時代であり、『パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか』を上梓した頃で、激しい会社というイメージがありましたが、インテルの基礎を作ったのは創業者の二人、ロバート・ノイスとゴードン・ムーアだったとのこと。これも今となっては知られざる歴史の一部になりつつありました。

とにかくコンピュータ産業で働く人には、必見の書だと思います。

インテル 世界で最も重要な会社の産業史
マイケル マローン
文藝春秋
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