昭和は遠くになりにけり、と思わざるを得ない、非常に重く、重要な示唆に富む本でした。
国鉄が民営化されて既に30年。僕が子供の頃は確かに国鉄に乗ってました。その頃はまだ小さかったのでそれほど分かっていなかったけど、大都市圏などでは頻繁に労働ストなどがあり、労使間対立が激しかった、とあります。たった30年前でも、そのような事があったのかというのが驚き。
またこの労使の対立の歴史と、それを打ち破る分割民営化を推し進めた若手経営幹部候補達の戦いは、昭和に限らず平成が終わろうとする今なお、日本の縮図のように見えました。日本の様々な問題はこのような既得権益を持った集団との戦いを避けられず、本書から学ぶことも多いと思います。