なかなか日本語訳が出ないので原書を買って読みました。著者のEmily Changはハーバード大卒の台湾系アメリカ人で、Bloomberg Technologyでニュースアンカーをしています。以前はよく観ていたんだけど、結婚してからすっかりご無沙汰していたら、こんな本を出していました。
本書はシリコンバレーにおけるあっという的な(主に白人)男性優位社会を皮肉ってBrother+Utopiaの造語を作って本のタイトルにしています。全米平均に比べてもシリコンバレーのテックカンパニーの女性登用比率が非常に低いことの指摘から始まり、そのような男性優位社会を築かれてきた原因を探っていきます。
ペイパルマフィアから始まり、VCのパートナー、そして投資家まで含めて取材をした上で、女性のみならずLGBTQやエスニシティのマイノリティまで含めてシリコンバレーでは就職も昇給昇進も不利に働いていることを示していて、非常に驚きました。アメリカですらこうなのか、と。
そんな本書を読んでいる最中、女性ユーザが7割を超えるというPinterestの唯一の女性の経営陣、COOがジェンダーバイアスのため解雇されたと名乗り出て、Emilyがインタビューをしています。
本書が発刊されて2年経っても、女性COOですら会社のBroカルチャーを返ることが出来ず、返り討ちにあってしまうというのは、非常に由々しき問題だなと思いながら本書を読み終えました。是非日本語訳を出して日本でも読んで貰いたい本です。