また負けた...

正確には提訴取り下げですが...。

2020年1月から2021年2月まで借りていた前の部屋の大家を小額錢債審裁處で提訴したものの、前回同様大家側の戦略勝ちになってしまいました。

提訴した理由は、退去時に保証金の一部しか返金されなかった事と、賃貸期間中部屋で起こった問題に関する金銭補償の支払。一部しか返金されなかった根本原因は、詐欺まがいの賃貸契約だったことで、この点を争点にして争う予定でした。

これは契約時の交渉で、最初の12ヶ月は値上げ無しで、12ヶ月後に値上げする際も10%を限度として欲しいというリクエストを出し、大家が受け入れた上手書きで契約書に書き足したのです。しかしこの際引っかけをいれていたようで、契約書全体を通してみると、手書き部分にある「賃貸期間」が実は契約書冒頭にある2年間を指さず、1ヶ月を「賃貸期間」と定義している箇所が別にあってそこを指していると。そのため大家は契約日翌月から「毎月」10%賃料アップが可能という代物。

実際、6月、7月と2ヶ月連続で値上げされ、精神的に参りました...このまま契約破棄できるようになる最初の12ヶ月が過ぎるまで毎月上げられたらどうしよう、とかシミュレーションして...。

ということで、提訴に踏み切ったのですが、勝訴=お金取れる、わけでもないので、当日小額錢債審裁處に大家は来ないかもしれないな...と思ってました。しかし同伴者を伴って登場。まぁ来るなら1人では来ないだろう事は想定通りですが。そして大家からは反訴が提出されていました。

小額錢債審裁處のスタッフからまずは2人で話し合ってみて下さい、と言われたので話をすることにしたのですが、その際同伴者も引き入れようとする大家。いやいや、だれやねんそいつ!

ということで大家に聞いても、友人がボランティアで手伝ってくれているだけ、反訴内容は私に代わって彼が書いて彼が郵送してくれたから彼に説明してもらう、の一点ばり。見た目はカジュアルな服でしたが、明らかに顧問弁護士です。なぜなら反訴が書かれた用紙は小額錢債審裁處のフォームですが、ちょっと特殊なフォーマット。今回一回切りの反訴ならば手書きのほうが早いはず、なのにしっかりプリンタで打ち出してます。明らかに対応する雛形を持っていると思われ。

さらに反訴の提出時相手方(つまり僕)郵送する決まりですが、郵送したという証拠としてポスト投函をビデオで撮ってました。かなり念の入った対応している点も、タダの友人とは思えません。

埒があかないので「ご友人」に同席してもらい、内容を説明してもらいました。まぁ書かれているとおりではあります。その後大家からはお互い時間とエネルギーの無駄だから、取り下げるなら反訴も取り下げ、本件に関して今後一切お互いに提訴しない、という提案をされました。

僕はお金だけの問題じゃなく、そもそも人を騙してお金を巻き上げることが許せないので始めた提訴。とはいえ、本来小額錢債審裁處は当事者同士での解決をすべく、弁護士等は不用という裁判所なのに、のっけから顧問弁護士に反訴丸投げ、そして一回目のCall Overでも同席させるという以上、何が何でも勝ちに来るだろうし、仮に小額錢債審裁處で敗訴しても彼女は勝つまで上告し続ける可能性あり。こういう面倒な相手にこれ以上時間を費やすことは確かに不毛です。

そこで話の最中、何を根拠に10%値上げを2回もしたのか、そしてそれは契約当日から意図して入れていたのか(つまり騙す意図を持ってやっていたのか)大家に問い詰めたところ、流石に「騙す」という言葉は言わなかったものの、その意図があったことは認め、かつ「契約書を確認の上サインしている以上合法、(トリックを)見抜けなかったアナタが悪い」と言い放つ始末。とはいえ、そのような人間である事を明確に確認したところで、僕としてはもういいやと思い、提訴をお互いに無条件に取り下げることで合意しました。

お金がある方が裁判でも有利なんだなと思うとともに、お金を持っている人間が持たざる人間からこういう風に搾取するのはどうなの?またそれを支援する弁護士って一体...と考えさせられました。

これ以上この大家の被害者が出ないことを祈りつつ、小額錢債審裁處を後にしました...。これで2020年に起こった悪い出来事は片がつきました。これからは未来のこと考えて前に進もうと思います。