官邸から、日本の携帯電話3社の料金が高すぎるという批判が出ていたのは1,2年前にニュースで見ていましたが、実際には3年ほど前に遡る伏線があったようで。
当時の官房長官、今の総理が肝いりで対応していた案件だったのですね。本書は日本経済新聞社の記者による著書で、携帯電話市場が成熟市場であるものの、その一方で官製市場でもあるとしています。その定義は矛盾していないか?と思いました。
また3社の価格政策に対して批判的に書いている内容も企業の視線からすれば、巨大な利益を上げて何が悪い、ユーザからの収益を減らす理由等ない、というきわめて基本的な資本主義的回答にならざるを得ないと思うのですが...。もちろんユーザからすれば安ければ安いほどいいのでしょうが、楽天のような台風の目を用意しなくても、既にMVNOで格安回線事業者はたくさんあるわけで。安さだけを取り上げるのなら3社の価格を下げるより、こういう事業者がどうやってマスマーケットを手に入れるかという視点を入れた方が健全だと思うのですが、どうでしょうね?