『SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。』読了

ナイキの創業者、フィル・ナイトの自伝です。

7割方、日本とのビジネスが出てきていて驚きました。僕が物心ついたときにはナイキは米国ブランドとして十分に有名でしたが、彼は元々オニヅカ(現アシックス)の靴に惚れ込んでアメリカでの輸入販売から始めてたんですね。それも第二次世界大戦後10数年という時代。アメリカでもまだまだ起業家は胡散臭く見られる時代に、よくぞそんなビジネスを始めたなと思いました。

そして初めてオニヅカを訪れる際に元米軍の起業家から受けたというアドバイスが、半世紀以上後の今でも真面目に通用しうるところが驚きというかなんというか。

『コツは、ごり押ししないことだ。典型的なアメリカ人つまり典型的な外国人みたいに、無作法に大声で攻撃的に振る舞わず、ノーと言わないことだ。日本人は押しの強さに反応してくれない。交渉はソフトに柔軟に行われる。』

そしてオニヅカから手を切られそうになったとき、手を差し伸べたのが日商岩井だったというのも面白いです。僕が新卒で入ったSIerは日商岩井の100%子会社(当時)だったので、余計に面白く思いました。

ナイキと日本、切っても切れない縁を元に書き上げたこの自伝は日本人に多く読んで欲しいなと思いました。