学歴フィルターに関する考察

ここんとこまたぞろ『学歴フィルター』なる言葉が燃えさかっています。マイナビが犯したミスのための模様。

「大東亜以下」メール誤送信でマイナビ炎上 露呈した「学歴フィルター」の実態:IT Media

そのミスはおいといて。まず学歴フィルターがなぜ炎上しやすいのか。世の中の多くの人は(日本的)学歴フィルターで弾かれる人がマジョリティで、一部の上位校出身者への不公平な優遇措置だと思われるので、炎上しやすいのだと思います。

本来学歴とは、中卒、高卒、大卒(もしくは修士/博士)を示すもので、その意味では大卒であれば本来フィルターで弾かれないのです。しかし日本においてはさらに国立大や早慶上智のようなトップ校卒を優遇していると取られがちです。実際そういう会社も少なくないでしょう。

自分も大学は今話題の日本大学なので中位校出身ですが、25年ほど前の就職活動の時期、同じ学年の国立大学の友人宅に遊びに行ったらリクルートなどから送られてきている企業年鑑の厚みや内容が全然違ってショックを受けたことを今でも覚えてます。同じようにアホやっている仲間なのに、良い大学ってだけでこんなに違うのか、と...。

しかし働き始めて自分が採用をする側を経験したので、その視点から言えば、上位校出身者を中心に採用するというのもある程度合理性があるのも事実。上位校でも下位校でも玉石混交なのは間違いないのですが、玉と石の割合が違います。時間と人という限りあるリソースで採用活動をおこなうため、玉が多い上位校を中心に採用したいというのは仕方が無いでしょう。

但しこれは新卒、もしくは第二新卒まで。中途採用であれば、前職までの経験や実績が圧倒的に物をいう世界になります。僕も採るときには大卒かどうかは確認しましたが大学名は気にしませんでした(大卒か気にしたのは中国や香港での採用なのでビザ取得に関係するため)。それよりも前職での経験、そして言葉の選び方や仕草などに注目して採るか決めてました。

残念ながら今までもそしてこれからも学歴フィルターは、企業が明言するかしないかは別として、なくなることはないでしょう。それでも、大学入った時点、もしくは就職した時点で努力をやめず、愚直に続けていれば、その後の道は開ける可能性は十分にあります。生存者バイアスかもしれませんが僕自身がそのような道を通ってきています。(日本的)学歴の壁にぶつかっただけで諦めたりせずに、学歴フィルターに文句をいう暇があるのならその分自分を成長させるべく努力する事に時間とエネルギーを費やした方が良いと思います。

ちなみに香港科技大学MBA出てますが、香港で転職活動する際、HKUSTもしくはMBAが学歴フィルターで役に立ったことはないです。もちろん、トップコンサルファームやバルジブラッケットではあるかもしれませんが、ごく一部。多くの会社は職歴や実績、使用言語で採用を決めているのが実情です。