『ライス回顧録 ホワイトハウス 激動の2920日』読了

Kindle版が出ていないため、日本から取り寄せてようやく読み終えました。ブッシュ大統領の一期目を補佐官として、二期目を国務長官として支えた、著者による8年間の総括です。

本書を読むまで、なんで『Homeland』でやたらとアフガニスタンやパキスタンが舞台になっていたり、パキスタンとタリバンが裏で繋がっている等と描かれているのがよく分かってなかったのですが、実はブッシュ政権時、つまりポスト911でアメリカが力を入れていた地域の一つがこれらの国々だったのですね。

この時期国際政治への関心が薄く、ポスト911のアメリカと中近東の動きは本書で改めて学びました。また本書ではウクライナの動きも書かれていますが、今現在のロシアとウクライナの情勢はこのブッシュ政権時にすでに争いの種が出始めていたのだなぁと読んでいて思いました。

そして反ブッシュ政権的な扱いで2度ほど出てくるのがジョー・バイデン...この時はまさかバイデンが大統領になるとは著者も思っていなかったのでしょうね。

残念な点としては、日本に関する記述がほぼないこと。出てくる時はならず者国家北朝鮮への対応で、拉致被害者救済を優先させようとする動きのみ。著者が本書中書いているように、日本人とはウマが合わなかっただけではなく、アメリカにとって日本の戦略的重要性が著しく低下している証左だと僕は読み取りました。