2021年発刊の本書。中華系ウォッチャー福島香織氏が翻訳を担当されています。
後書きが予言的で「共産党の指導のもと、人民が一丸となって海外からもたらされた恐ろしいウイルスに打ち勝った輝かしい奮闘の記録」と宣言しそう、とありましたが、まさにその通りでした...。
それはともかく、事実を元に中国の新型コロナ禍の悲哀を小説にした本書。「小説」という体裁を取る事で当局からの批判をかわしたい、ということだと思いますが、この内容では普通に禁書扱いかと...そのくらい衝撃的な内容です。
いつの間にかかき消されてしまった武漢ウイルス研究所からの流出説に関しても、本書ではここが起源であり、武漢人が野生動物を食べる習慣があるからではない、と登場人物達に言わせています。
未だどこからわいて出てきたウイルスなのかははっきりしていないものの、今の政権が続く限り人為的に発生させたウイルスとは認めないでしょうね...。