『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』読了

ソニー本体を立て直した異能の人、傍流である子会社入社して本社CEOになった人...色々言われますが、ご本人による自伝かつ成し遂げた企業再生のキモを纏めた本書。

非常に読みやすく、結果として子会社を2社立て直すターンアラウンドマネージャーをしているうちに、本社のターンアラウンドを任された著者。本書でも何度か触れられていますが、ソニーの現役社員からOBまで、著者の行った立て直し策はかなり批判されたようです。事業を評価し、過去の成功如何に関わらず将来性が見込めない事業を縮小撤退...それによるV字回復。どこかで見た風景だなと思ったら、日産におけるカルロス・ゴーン。

ゴーンも外様でしたが、著者もソニーの中では外様なわけで。成功体験を引きずらず、一歩下がって冷静に見れたからこそ打てた手でしょうし、それがなければソニーの状況はもっと悲惨だった可能性もあり。外様だからできる、再生劇だったと言えるでしょう。

そしてご自身そのような戦時に強いけど平時は自分でなくても...とあっさり後陣に道を譲り、ソニーから離れたのも、潔いというか、著者らしいなと、本書を読んで思いました。