上梓時話題になった本書。著者が亡くなった今になってようやく読み終えました。
話題になった理由は、2016年になぜ田中角栄?という点と、著者自身が金脈政治を叩いていた張本人だから。読んでみたら、慎太郎節満載ではありますが、確かに角さんっぽいなと思いながらサクサク読み終えました。
著者は金脈政治を叩いていましたが、1970年代の感覚、角さんの感覚では政治に付け届けは当たり前、何百億の金を動かしていた自分からすればロッキードの5億なんて細かくて気にしてなかった、というのは確かに本音ではなかったかなとも思います。その上で、著者による創作ではなく参考文献からだろうけど、田中角栄が目指した日本が米国庇護下からの独立であり、それが米国を怒らせてロッキードに繋がった、というのは確かにそうかも、と思いました。
それにしても全国津々浦々まで繋がった高速道路や新幹線、そして原発施設等を見ると、日本列島改造論が実現しているなぁと改めて思った次第。