『最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実』読了

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似たようなタイトルの本を前に読みましたが、本作品は1997年にバタバタと倒れた大型倒産の内、北海道拓殖銀行の最後の頭取を務め、その後この手の裁判で唯一有罪判決、収監された著者による本。

奥様が亡くなるまで20年ほど沈黙を貫いていらしたようですが、その後歴史の証人として、何があったのか、朝日新聞記者にインタビューされ、それを元に構成された本だそうで。検察の「頭取の地位を守るため」という理由で不適切な融資を許可したとか、素人目にもちょっとそれはないのでは?という理由で有罪。なので、自己保身という感じは受けませんでした。

時代の中で役割をになっただけ、なのかもしれませんが、山一證券含めた都銀や大手証券会社などが潰れていった様は、大学4年の自分には「寄らば大樹の陰はもうこの国にはない」という自説を裏付ける出来事だったのを、読みながら思い出しました。